HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51376 Content-Type: text/html ETag: "ba3d5-1797-4b84de84be6c6" Expires: Mon, 06 Feb 2012 23:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 06 Feb 2012 23:21:10 GMT Connection: close 米軍再編見直し 普天間の固定化回避に努めよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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米軍再編見直し 普天間の固定化回避に努めよ(2月7日付・読売社説)

 米軍普天間飛行場の移設と、在沖縄海兵隊のグアム移転が「共倒れ」する最悪の事態を防ぐ狙いは、悪くないだろう。

 日米両政府が、2006年の在日米軍再編計画を見直すことで大筋合意した。

 海兵隊のグアム移転の規模を8000人から4700人に縮小する。「一体の計画」だった普天間移設を切り離し、海兵隊移転を先行させる。これが見直しの柱だ。

 海兵隊の海外移転全体の数は変更せず、残る3300人程度はハワイ、豪州などに移転させる方向で調整するという。

 米政府は、海兵隊移転の規模を修正することで、国防費削減を求める連邦議会の了解を得たいのだろう。新たな計画は、オバマ大統領が1月に発表した「アジア重視」の新国防戦略とも合致する。

 現状では、グアム移転も普天間移設も頓挫する恐れがあった。4700人の移転でも、沖縄の基地負担は相当軽減する。実現可能な合意から順次、実現しようとする判断は、十分理解できる。

 しかし、首相周辺の思惑通り、「野田政権の得点になる」かどうかは楽観できない。

 最も懸念されるのは、海兵隊の先行移転によって、普天間移設の機運が低下して、辺野古への移設が進まず、普天間飛行場の危険な現状が固定化することだ。

 普天間移設は米軍再編の出発点であり、根幹でもある。移設先は今でも辺野古が最善だ。政府と沖縄県は、冷静に話し合い、固定化回避へ全力を挙げるべきだ。

 グアム移転が進めば、キャンプ瑞慶覧など米軍施設の返還も具体化しよう。普天間問題と、他の施設返還や跡地利用を含む沖縄振興策の包括的合意を目指したい。

 海兵隊の移転先も、グアム以外は不透明だ。ハワイ、豪州、フィリピンなどを一時駐留して回る案などが検討されている。

 8000人の移転が実現するよう、日本政府は、米側と粘り強く交渉することが肝要だ。

 日本側が最大28億ドルを資金提供するとしたグアム移転協定も見直す必要がある。移転の規模が縮小する以上、日本の財政支出の減額を求めねばなるまい。

 米軍の抑止力の維持も大切だ。海兵隊の移転対象は当初、司令部や後方支援の要員だったが、戦闘部隊も含める方向となった。

 中国の軍備増強で沖縄周辺の安保環境が不透明な中、戦闘部隊が移転しても即応能力を低下させない、というメッセージを日米両国が発信することが求められる。

2012年2月7日01時10分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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