HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 03 Feb 2012 00:21:10 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:外国人介護士 若者の挑戦に応えたい:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

外国人介護士 若者の挑戦に応えたい

 介護福祉士を目指し日本の介護現場で学ぶインドネシア人ら九十五人が、国家試験に挑んだ。今月には看護師試験もある。専門職として働きたいとの思いに応えるために、制度の見直しが必要だ。

 なんといってもインドネシアやフィリピンの若者たちは人懐っこくて優しい。仕事も熱心だ。介護や医療現場でも人気者が多い。

 二年前に看護師試験に合格した二十代のインドネシア人女性は「周囲の人が私の指導のためにがんばっているのだから、私から辞めたいと思えなかった」と感謝を忘れない。

 育成のため受け入れた病院が全力で受験をサポートしたのは、その人柄が好かれたからでもある。

 だが日本で働くためには、日本語による試験が壁になっている。

 介護福祉士や看護師を目指すインドネシア人の受け入れは、日本との経済連携協定(EPA)の一環で二〇〇八年から始まった。

 一年遅れてフィリピンからも受け入れを始め、これまで両国から千人超が来日している。

 介護福祉士の受験には在留期間四年のうち実務経験が三年必要なため、試験は原則四年目の一回だけ。今回受験した若者たちは第一陣の〇八年組で初挑戦になる。

 三月の合格発表結果は厳しそうだ。先に受験が始まった看護師は三年の在留期間中に複数回受験できるが、合格者は〇九年度で三人、一〇年度は十六人で合格率は4%だった。日本語を母語とする受験者の合格率は約九割ある。介護福祉士試験はそれより難関だ。

 一方、日本語習得は現場に任せきりである。受験者は働きながらで十分な学習時間が確保できない。施設側も指導は手探りで悩む。費用も基本は自前となる。

 政府は試験問題の難しい漢字にルビを振るなど改善をした。成績優秀だった不合格者には在留期間一年の延長を認めたが、「冷たい」と感じて日本に見切りをつけ、大量に帰国する事態が心配になる。

 現場は既に重要な労働力ととらえている。言葉の壁の放置は、若者たちと施設のみならずケアを受ける側にも不幸なことだ。

 若者たちは本国では既に専門職として働く人が多い。知識を問う英語の試験と日本語習得を図る試験の併用などできないか。

 日本語による試験が必要というのなら、政府の責任で指導法をつくるなど学習環境を整え、「合格できる」制度に見直すべきだ。

 アジアの人材を活用する姿勢がないと超高齢化は乗り切れない。

 

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