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2月2日付 編集手帳

 森鴎外は『青年』に書いている。〈夜の思想から見ると昼の思想から見るとで同一の事相が別様の面目を呈して来る〉と。「知恵」が昼の産物ならば、「策謀」は夜の産物だろう◆歴史上の人物では明智光秀が夜の思考を好んだと伝えられるが、夜は妄想に駆られやすい時間である。解決の糸口を見つける代わりに問題をかえってこじらせてしまう場合が少なくない◆これも夜の思考から生まれたか、何やら“はかりごと”の臭気が漂う。「普天間」を抱える沖縄県の宜野湾(ぎのわん)市長選をめぐって、防衛省の沖縄防衛局長が宜野湾市内に住む同局職員と親族に関するリストを作り、投票を呼びかけていたという。選挙への干渉と疑われても仕方がない◆策を巡らすのがお役人の本能とはいえ、汚らわしい失言で更迭された前任の局長といい、この局長といい、沖縄県民を怒らせて普天間移転を困難にするべく職務に励んでいるように映る◆“はかりごと”の本能が暴走しないよう、政務三役が理性のブレーキを働かせてこそ本来の政治主導だろう。知謀の武将は名言を残していなかったか。敵は本能にあり…ちょっと違う。

2012年2月2日01時22分  読売新聞)

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