HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 01 Feb 2012 23:21:10 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:防衛局長講話 選挙への「介入」許せぬ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

防衛局長講話 選挙への「介入」許せぬ

 米軍普天間飛行場のある沖縄県宜野湾市に住む沖縄防衛局職員に対し、真部朗局長が「講話」を行っていた。市長選で特定候補を支持する内容ではないというが、選挙への露骨な介入は許されない。

 講話には、宜野湾市に自身や親族が住む職員八十人のうち六十六人が参加。真部氏は市長選への立候補予定者二人を紹介し、公務員として中立性・公正性に疑いを持たれないよう話したという。

 市長選は自民、公明両党が推薦する佐喜真淳県議と共産、社民、沖縄社会大衆三党が支持する伊波洋一元市長との一騎打ちの見通しだ。

 どちらも普天間飛行場の名護市辺野古への県内移設に反対しているが、国外への移設を主張する伊波氏の方がより強硬といえる。

 防衛省の調査では、特定候補者を支持する内容は確認されなかったが、局長自らが講話を行うことで、基地問題ではより穏健な自公推薦候補への投票を促したとの疑念を持たれても仕方があるまい。

 公職選挙法は国家公務員の地位を利用した選挙運動を、自衛隊法は意図を持って特定の政策を主張することを禁じている。本当に特定候補への支持表明がなかったのか、引き続き調査が必要だ。

 真部氏は「沖縄『犯す』発言」で更迭された田中聡前局長の後任だ。以前も局長を務めた経験を買われての再登板だが、公選法違反まがいの行為に沖縄県民は「またか」という思いではないか。

 真部氏は講話を「名護の選挙でもやったことがある」と述べたという。二〇一〇年の名護市長選や市議選でのことなのだろう。

 一九九七年、普天間飛行場返還のための海上基地受け入れの是非を問う名護市住民投票の際、当時の那覇防衛施設局の職員約二百人が、市内全戸を対象に、基地計画と地域振興策を説明する戸別訪問を行ったことがある。

 政府の政策を押し通すためには選挙への介入も辞さないのは防衛省の体質ではないのか。地に落ちた防衛省への沖縄県民の信頼を少しでも回復するにはこの体質を改めることがまず必要だ。

 さらに問題の根底には、大方の県民の意向に反し、県内移設を強行する民主党政権の姿勢があることを見過ごしてはならない。

 国外・県外移設への思い切った方針転換が、在日米軍基地の約74%が集中する沖縄県民の基地負担を軽減する。官僚だけに責任を押し付けるのではなく、政治家が決断しなければ問題は解決しない。

 

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