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1月27日付 よみうり寸評

 「みちのくの山河慟哭(どうこく)初桜」――長谷川櫂さんの〈震災句集〉が中央公論新社から刊行された。待っていた人も少なくなかろう◆というのは、昨年3月の東日本大震災の発生から間もなく、俳人である氏が世に出したのは、句集ではなく〈震災()集〉だったからだ。その初版発行から9か月、今度は〈震災()集〉だ◆「燎原(りょうげん)の野火かと見れば気仙沼」「早蕨(さわらび)やここまで津波襲ひしと」「幾万の声なき声や雲の峰」「迎え火や海の底ゆく死者の列」「つつしんで大震災の年送る」「原発の蓋あきしまま去年(こぞ)今年」……◆句集には傷ついた日本を見つめた125句を収めた。昨年の歌集は震災直後12日間の記録だった。荒々しいリズムで短歌が次々に湧いてきたという◆一方、震災後、10日余り過ぎると短歌に代わって俳句が生まれ始めた。俳句には季語がある。言葉の代わりに「間」に語らせる。大震災をも「悠然たる時間の流れ」の中で眺める◆同じ震災を同じ人物が詠んだ句集と歌集で、俳句と短歌がどう違うかが味わえる。

2012年1月27日13時45分  読売新聞)

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