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1月28日付 編集手帳

 まど・みちおさんに『ああでもない こうでもないの うた』という詩がある。〈ああでもないとこうでもないが/かいぎを はじめりゃ 日がくれる…〉◆お偉方か、咳払(せきばら)いも聞こえる。〈えっへん おっほん わいわいわい/ああでもないない こうでもない〉。どうやらあまり実りある会議ではないらしい◆あれほどの国難に対処する政府の会議である。まさか、「ああでもない、こうでもない」式の不毛な議論が交わされていたとは思わない。思わないが、議事録がない以上はそれを検証しようがないのも事実である◆首相を本部長に全閣僚が出席する原子力災害対策本部は議事録を作成していなかった。どんなふうに議論を深めたのだろう。エッヘンと威張って官僚を押さえつけ、多くの会議から記録役の官僚さえ排除してきた“政治主導”の正体見たり、である◆オーストリアの作家シュニッツラーは述べている。〈記憶がお粗末だと、回想記を(つづ)るのに苦労しない〉と。記憶の裏付けとなる議事録がそもそも、ない。事故対応を指揮した首相は、さてどなただったか、さぞかし回想記が書きやすかろう。

2012年1月28日01時14分  読売新聞)

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