HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 28 Jan 2012 00:21:19 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:オキシモランとは、矛盾する語を並べて効果をあげる修辞法だ。…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 オキシモランとは、矛盾する語を並べて効果をあげる修辞法だ。語の意味がぶつかり合うということで、日本語では撞着(どうちゃく)語法などという▼英語の辞書には、「無慈悲な親切」「ゆっくり急げ」などが例示されるが、冬は寒いのが当たり前なら、「暖かい」と「冬」もぶつかる。してみれば、「暖冬」という言葉も一種のオキシモランといえるかもしれない▼さて、気象庁の「冬」とは、十二月から翌年二月までを指すが、今冬は三カ月トータルで「寒冬(かんとう)」になりそうだという。聞き慣れぬ言葉だが、その冬の平均気温が、「平年並み」の気温帯より高いと「暖冬」、低いと「寒冬」だとの由(よし)▼寒い冬とは、いわば「赤い朱色」のような当たり前の言葉だからか、広辞苑にも「暖冬」はあって「寒冬」はない。本来、当然ではないのが暖冬で、辞書の例語にも「暖冬異変」が挙がる▼ところがだ。最近では二〇〇五〜〇六年の冬が実に二十年ぶりの「寒冬」だったそうで、もし今冬がそうなれば、また六年ぶり。どうも「寒冬」は当たり前でなく「異変」という感じ。いずれ「暖冬」もオキシモランでなくなるのか…▼とにかく、見立て通り、このところも厳しい寒さが続いている列島だ。「冬らしい冬」だが、ことに東北の震災被災地には酷だし、大雪に苦しむ地域も多い。いくら“珍しい客”でも、歓迎一色とはいかない。

 

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