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対イラン制裁 圧力テコに核協議の再開迫れ(1月25日付・読売社説)

 核開発疑惑の解明を拒むイランへ、制裁強化の網がかけられた。

 欧州連合(EU)が、イラン産原油の輸入禁止を正式に決めた。

 新規購入は即日禁止し、7月から長期契約分を含め全面的に禁輸する。EU域内にあるイラン中央銀行の資産も凍結する。

 昨年末に対イラン追加制裁を決定した米国に、EUが歩調を合わせた意味は重い。オバマ大統領は、「国際社会の結束を示すものだ」と歓迎した。

 イランにとって、EUは、中国に次ぐ第2の原油輸出先で、全体の約5分の1を占める。EUが禁輸に踏み切ったのは、イランには大きな痛手だろう。

 EUの禁輸決定について、イラン外務省が「非論理的で正当化できない決定だ」と激しく非難する声明を出したのはその証左だ。

 イランは、米欧の制裁強化に反発し、原油輸送の要衝地ホルムズ海峡の封鎖を示唆して、緊張を高めている。

 米欧の狙いは、国連安全保障理事会の制裁決議を無視してウラン濃縮を続けるイランに、主要収入源である原油輸出にブレーキをかけ、譲歩を促すことにある。

 安保理常任理事国の米英仏中露にドイツを加えた6か国が、イランとウラン濃縮中止を巡り交渉してきたが、イランは昨年1月を最後に応じていない。

 今回の制裁強化をテコに、米欧はイランに、協議再開を粘り強く働きかける必要がある。

 だが、イランが対話のテーブルに戻ってくるかどうかは予断を許さない。3月にイラン国会選挙を控えているだけに、イラン政権は欧米の圧力に屈したかのような姿勢は見せようとしないだろう。

 一方で、国際原子力機関(IAEA)代表団のイラン訪問を認めるなど、国際社会の出方をうかがってもいる。

 EUは、米国と連携しつつ、イランの今後の動向を慎重に見極めなければならない。

 イラン産原油の主要輸入国の中でも、中国やインドなどは輸入を続ける構えだ。

 日本も、中国、EUに次ぐ輸入国だが、米国による制裁に協力し、輸入削減の方針を決めた。削減量などについて米国側と協議中だ。イランに「圧力」をかけるためにはやむを得まい。

 イラン情勢の緊迫で、原油価格高騰など日本経済にも深刻な影響が出る恐れがある。政府は、代替原油の確保も含め、機敏に対応していくことが求められよう。

2012年1月25日01時13分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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