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1月24日付 よみうり寸評

 「消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡」(島田明宏著)が日本中央競馬会の2011年度JRA賞馬事文化賞に決まり、23日東京都内のホテルで授賞式が行われた◆戦時下の昭和18年(1943年)、日本ダービーの優勝馬は牝馬(ひんば)のクリフジ。騎手は前田長吉だった。この後、牝馬が日本ダービーを制するのは64年後、2007年のウオッカまでない◆前田騎手は前年にデビューしたばかりの20歳3か月。これは今も日本ダービーの最年少優勝記録だ。前田は11戦無敗で引退したクリフジの全レースに騎乗◆翌年出征、シベリア抑留で病死した。遺骨がDNA鑑定で判明し、青森へ帰郷したのは2006年。出征から62年ぶりだった◆受賞作は「クリフジを不世出の名馬にするためだけに現れて、それだけを成し遂げて消えた」幻のような騎手の軌跡を追った◆資料は少なく、知る人は物故するなどの難条件を克服した労作だ。それは日本の競馬史の中でも最も苦難に満ちた時代を探る作業でもあった。

2012年1月24日14時18分  読売新聞)

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