HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 25 Jan 2012 00:21:14 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:女性首長 優しい目をもつ政治へ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

女性首長 優しい目をもつ政治へ

 大津市長選は、民主、社民推薦の越直美氏が、自民、公明の推す現職を破って初当選した。三十六歳女性市長。人に優しい政治は始まるのだろうか。どんな仕事を見せてくれるのか、楽しみだ。

 県と県都の長をいずれも女性が占めるのは、初めてだ。当選を決めた越氏は、選挙事務所に駆けつけた滋賀県の嘉田由紀子知事と握手を交わし、「娘の立場で母を支えたい」と、女性首長同士の連帯を強調した。

 越氏を推薦した地域政党の「対話でつなごう滋賀の会」と民主は、嘉田知事の与党でもある。だが、知事は表向き「中立」を堅持した。現職を推す自民が昨年春の県議選で過半数を獲得し、副知事を一人に減らされるなど、難しい県政運営を迫られているからだ。しかし、嘉田知事の次男が応援のマイクを握るなど、“共闘”は明らかだった。一昨年の知事選で史上最多の約四十二万票を獲得した嘉田人気は健在で、無名の新人を背後から支えていた。

 明確な争点があったわけではない。それでも、昨年十一月の大阪府知事・大阪市長ダブル選で、橋下徹氏の地域政党「大阪維新の会」が巻き起こした変化の旋風は、琵琶湖畔にも吹いてきた。

 橋下氏と同じ弁護士の越氏には、格好の追い風だった。

 この閉塞(へいそく)感を破ってほしい。何かを変えたい、変えてほしいと願う風である。長年続いた男性主導の土建中心政治から、女性による福祉型政治へ。老練から若さへ。勇ましさから気配りへ。変革を求める嵐は、しばらくは収まるまい。

 京都、大阪通勤圏の大津では、市街地に相次いでマンションが建設され、子育て世代の流入が増えている。それに伴い、保育所の待機児童増加は深刻化、JR湖西線沿線に多い、団塊の世代の高齢化はこれから進む。

 「子育てと教育の最優先」「介護と医療の充実」。越氏が掲げた働く女性目線の公約は、全国の自治体が財政難の中で解決すべき共通の課題である。女性首長はまだ、全体の2%にすぎないが、人に優しい政治を望み、身近な暮らしの問題に答えを出してほしいと切望する、有権者の期待は強い。

 米国のオバマ大統領や、日本の民主党の例を引き合いに出すまでもなく、風はやがて吹きすぎる。国際派弁護士の越氏も行政手腕は未知数だ。身近な課題に、まず、どのような答えを出すか。ひと味違う“母娘タッグ”の次なる戦いぶりを、見せてもらおう。

 

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