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1月24日付 編集手帳

 何年か前に本紙『こどもの詩』で読み、切り抜いた一編がある。作者は小学3年生、題名を「交かん」という。〈人間ってね/イヤなことが/いっぱいたまると/幸運と交かんできるんだよ〉◆遠い昔、同じような発想をした人がどこかにいたのかも知れない。きょうとあす、東京の亀戸天神社で催される初春恒例の「(うそ)替え」は、1年のイヤなことを幸運と交換する神事である◆鷽はアトリ科の鳥である。昨年授かった木彫りの鷽を新しい鷽と交換することで、1年の悪い出来事がすべて(うそ)になり、吉に転じるよう祈願する◆「うそ」という名の由来には諸説ある。足を交互に上げながら鳴く姿を琴の演奏に見立て、空で琴を弾くから「そらごと」(=嘘)説はよくできているが、誰か頭のいい人の創作だろう。口笛に似た鳴き声から、口笛の異称「うそ」(嘯)にちなんでの命名とする説が有力らしい◆“嘯”という字から連想する言葉がある。つなみは漢字で「津波」だが、「海嘯」とも書く。〈鷽替ふるならば徹頭徹尾替ふ〉(後藤比奈夫)。招福を祈願して、「徹頭徹尾」の一語がこれほど切実な年もない。

2012年1月24日00時59分  読売新聞)

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