HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49796 Content-Type: text/html ETag: "ad76a-1671-4b6cf9c4661ff" Expires: Thu, 19 Jan 2012 00:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 19 Jan 2012 00:21:10 GMT Connection: close 原発耐性検査 再稼動の判断を先送りするな : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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原発耐性検査 再稼動の判断を先送りするな(1月19日付・読売社説)

 停止中の原子力発電所の再稼働に向け、最初のハードルを越えたと言えるだろう。

 関西電力が実施した大飯原発3、4号機(福井県)の「ストレステスト(耐性検査)」評価結果について、経済産業省原子力安全・保安院が、妥当とする判断をまとめた。

 これに関する専門家からの意見聴取会には、反対派活動家らが多数押しかけて混乱した。枝野経産相は「平穏に開催されない状況になったのは容認できない」と批判した。残念な事態である。

 耐性検査は、定期検査で停止した原発の再稼働の条件として、昨年7月に、菅政権が全ての原発に課したものだ。

 法的根拠はない。だが、東京電力福島第一原発事故を踏まえ安全を一層向上させることが国民や地元自治体の理解を得る上で役立つとの判断だった。欧州が先行して導入したことも参考とした。

 設計段階で考慮されなかった想定外の地震や津波が襲来したと仮定し、各原発に安全の余裕がどれだけあるのかをコンピューターを使った計算などで確認する。

 見落とされていた弱点を検査で見つけ出す効果もある。

 大飯原発の3、4号機については、関電が昨秋、地震の揺れで想定の1・8倍まで、津波は想定の4倍の11・4メートルまでなら耐えられる、と報告していた。重大な欠陥も見つからなかったという。

 保安院は、その内容を、専門家の意見を聞きつつ詳しく点検、確認してきた。すでに14基の原発についてテスト結果が提出されているが、ゴーサインが出たのは大飯原発3、4号機が初めてだ。

 評価結果は、今月下旬に来日する国際原子力機関(IAEA)の専門家や、内閣府の原子力安全委員会も、チェックする。これを経て来月初めにも、野田首相や細野原発相らが、再稼働の可否について、政府としての判断を示す。

 再稼働できないと、国内の原発は4月末に全て止まる。電力の安定供給は、さらに厳しくなる。

 問題がない、と確認された以上は、再稼働を認めるべきではないか。今後は一連の手続きが滞りなく進むことを期待したい。

 最後のハードルは、地元自治体の了解を得ることだ。大飯原発がある福井県は福島第一原発事故に基づき、政府に安全の新基準を設けるなどの対応を求めている。

 安全に万全を期し、利用可能な原発は動かす。野田首相は、自ら掲げた方針に沿って、全力で地元の理解を得ねばならない。

2012年1月19日01時04分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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