HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Wed, 18 Jan 2012 21:21:14 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:日航新体制 安全を徹底し再建急げ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

日航新体制 安全を徹底し再建急げ

 経営再建中の日本航空(JAL)は植木義晴専務執行役員の社長昇格などを発表した。倒産から二年。今秋にも株式再上場を目指す。安全運航を徹底して大競争時代を勝ち抜いてもらいたい。

 再建の切り札として送り込まれた稲盛和夫会長はこの二年間を振り返りつつ、ほっとした表情を見せた。記者会見で「私は一歩退くが新会長以下の新役員を責任を持ってバックアップしていきたい」と語った。

 新体制では稲盛会長が名誉会長に、大西賢社長が会長となる。企業再生支援機構の瀬戸英雄氏は取締役に残る。生え抜きを増やして自主性を高めることが狙いだ。

 負債総額二兆三千億円を抱え日航三社が会社更生法適用を申請したのは二〇一〇年一月十九日だ。更生計画の下、燃費効率の悪い大型機を退役させグループ従業員約一万六千人を削減。国際線と国内線約五十路線から撤退し、役員報酬や社員の給料も削った。

 業績は一変した。営業黒字は一一年三月期連結決算で千八百八十四億円を計上。東日本大震災の打撃を受けた昨年九月中間でも千六十一億円、一二年三月期は千四百億円を確保する見通しだ。

 社員の意識も変わりつつある。宮城県・仙台空港では総力で復旧に取り組み、再開後はきめ細かな路線・便数を提供して利用客確保に努めた。ある客室乗務員は「背負っているものが違いますから」と危機感を述べたほどだ。

 再建が順調に進んでいることから支援機構は今秋にも日航の全株式を再上場したい考え。投資家の支持を得て出資金三千五百億円以上の資金確保を目指す。再建完了が視界に入ってきた。

 ただ先行きの環境は厳しい。欧州信用不安や新興国経済の鈍化、業界内ではいち早く新型機B787を投入した全日本空輸(ANA)や、急成長中のスカイマークなどとの競争が激化する。

 最大の課題が格安航空会社(LCC)との競争だ。三月以降、全日空系LCC二社が運航を始める。日航もLCCに参入するが、低運賃化で本体の収益に影響が出る恐れがある。高速化する新幹線も不気味な存在だ。

 再建は安全運航が前提である。機体整備や点検を確実に実施し全従業員へ安全文化を継承させる。コストダウンのさらなる推進と、成長戦略の策定が重要だ。四月に開設する東京−米ボストン線などは期待が大きい。新経営陣の力量が問われるのはこれからだ。

 

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