HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49799 Content-Type: text/html ETag: "b8803-165f-4b6bbaffa8415" Expires: Wed, 18 Jan 2012 02:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 18 Jan 2012 02:21:10 GMT Connection: close 「大阪都」構想 自治再生への将来像を示せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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「大阪都」構想 自治再生への将来像を示せ(1月18日付・読売社説)

 「大阪都」構想の実現で住民生活や行政はどう変わるのだろうか。

 橋下徹大阪市長が、都構想の具体案作りを進めている。

 都構想は、府と大阪、堺両市を解体し、広域行政を担う「都」と福祉など身近な行政サービスを受け持つ10〜12の「特別自治区」に再編する制度改革だ。

 長年対立してきた府と大阪市の関係を見直し、二重行政の無駄を廃して都市戦略を一元化しようという狙いはわかる。

 橋下氏は司令塔となる府市統合本部を設け、矢継ぎ早に改革方針を打ち出した。水道、病院、大学の一体運営や、区長の公募・権限強化など、現行制度で可能な改革を先行させることは、構想実現への追い風となるからだ。

 だが、制度の変更が、橋下氏の言うように、沈滞ムード漂う大阪の再生に結びつくのか。

 公選区長と区議会を置くため、コストが増える恐れがある。二重行政を見直すことが行政サービスの独占となり、行政同士の競争が失われて、かえって効率が悪化しかねないとの見方もある。

 橋下氏は、こうした疑問の声にも丁寧に答えを出し、新しい自治の将来像を描くべきである。

 都構想の実現のためには、地方自治法など関連法の改正も欠かせない。与野党は、構想に呼応する動きを見せ始めている。

 先の大阪ダブル選で勝利を収めた橋下氏は、都構想に賛同しない政党には、次期衆院選で独自候補を擁立して対抗すると宣言しているが、こうした「戦法」が中央政党を動かしたと言えよう。

 一方、政府の地方制度調査会は17日、大都市制度のあり方に関する議論を始めた。政府が大都市問題に正面から取り組んだことは、これまでほとんどなかった。

 大阪都構想は、中心的なテーマとなる。橋下氏は、2015年春の大阪都移行を目指して、今秋までに具体案をまとめる考えだが、その動向と調査会の議論は、相互に影響していくだろう。

 政令市が道府県から独立する「特別自治市」や、愛知県と名古屋市が掲げる「中京都」、新潟県と新潟市を再編する「新潟州」なども検討対象だ。大都市制度の議論は、時代の要請でもある。

 調査会では、人口減少が著しく、高齢化の進んでいる市町村の問題も審議する。地方分権の流れの中で、大都市と小規模な自治体の問題をどう位置づけるかは、容易ではない。自治の再生に向けて、幅広い議論を重ねてもらいたい。

2012年1月18日01時18分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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