HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48396 Content-Type: text/html ETag: "f1972-1212-4b6b23991c3ee" Expires: Wed, 18 Jan 2012 01:22:18 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 18 Jan 2012 01:22:18 GMT Connection: close 1月17日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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1月17日付 よみうり寸評

 きょう17日、阪神大震災から17年の朝を迎えた。厳しい寒さが続いている。この季節、この日が来ると決まって思い出す句がある◆〈大寒の第四日目のことなりし〉――高野素十が友人の死を悼んだ句だが、6434人もの命を奪った阪神大震災を詠めば〈大寒は第四日目のことなりし〉となるからだ。今年の大寒は21日だが、あの年は20日だった◆〈科学の方則とは畢竟(ひっきょう)「自然の記憶の覚え書き」である〉――寺田寅彦は随筆「津浪と人間」にこう書いた。〈地震や津浪は頑固に、執念深くやって来る〉ともある◆だから震災の記憶の覚え書きを忘れてはならない。しかし、大寒のように毎年必ずやってくる自然は忘れないが、地震、津波はそうではない◆災害直後は詳細な調査が行われ、予防策が考究されるが、何十年、何百年後となるとその関係者はみな世にいない。で、天災は忘れたころにやって来るかたちにもなる◆阪神大震災から17年、東日本大震災からはまだ10か月、寺田寅彦の警告を肝に銘じて事に備えよう。

2012年1月17日14時01分  読売新聞)

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