HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50126 Content-Type: text/html ETag: "33e86-16b0-4b69353dc5e1d" Expires: Sun, 15 Jan 2012 21:22:12 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 15 Jan 2012 21:22:12 GMT Connection: close 阪神大震災17年 二つの重い教訓を次の備えに : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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阪神大震災17年 二つの重い教訓を次の備えに(1月16日付・読売社説)

 阪神大震災の惨禍からあすで17年。被災地は鎮魂の日を迎える。

 人々の祈りには、被災から10か月たった東日本大震災の犠牲者への深い哀悼と、確かな復興の願いも込められることだろう。

 「1・17」の教訓は「3・11」に生かされているのだろうか。

 大地震に不意打ちされたのが阪神大震災だった。「関西に大地震は来ない」という安心ムードがあり、備えは十分でなかった。

 古い木造住宅などの耐震化は進んでおらず、死者6000人余の8割以上は家屋倒壊や家具の転倒による圧死だった。密集市街地の放置は火災の拡大を招いた。

 兵庫県は3年前、復旧・復興過程を検証して100の教訓にまとめた『伝える 阪神・淡路大震災の教訓』を出版した。

 災害初期には、地域住民が消防や警察と連携して救助に当たったり、高齢者ら「要援護者」の安否確認や避難を優先的に行ったりすることが重要だとしている。

 復興過程では、産官学連携による新産業創出の必要性、企業の早期再開が雇用確保につながることなどが指摘されている。

 私有財産である住宅に、公的補助を可能にした被災者生活再建支援法が、震災の3年後に成立したことで、難題だった住宅再建が容易になったとも述べている。

 これらは東日本大震災にも共通する課題だ。全国各地の自治体が防災計画や復旧・復興対応を検討する際の参考にもなろう。

 阪神大震災では、自衛隊の災害派遣要請まで4時間を要した。東日本大震災では発生6分後から地元知事の要請が始まっている。ここでは教訓が生かされた。

 東日本大震災は、地震の規模も津波の高さも予測をはるかに超えたものだった。過去の津波災害の経験から、耐震化やハザードマップ作りが進み、防災訓練も繰り返し行われていたが、「想定外」の事態には対応できなかった。

 例えば、津波に運ばれた車両や建物が炎上した「津波火災」、広範囲に及んだ液状化などの二次被害が発生した。全電源喪失による原子力発電所事故も起きた。

 日本列島は地震の活動期に入ったとされる。首都直下型や東海・東南海・南海の連動型巨大地震も確実にやってくる。

 被害を極小化するために、二つの震災から()むべき教訓は多い。「想定外」を想定し、防災体制の改良を続けるべきだ。国民一人ひとりも、災害の多い列島に住まう自覚を新たにする必要がある。

2012年1月16日01時09分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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