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1月16日付 編集手帳

 離島が「主役」の地図がある。千もの島々を記した「日本の島全図シマーズ」だ。眺めると最近話題の島が目にとまる。世界自然遺産になった小笠原諸島や東日本大震災で米軍が「トモダチ作戦」を展開した宮城県の大島、中国の漁業監視船が出没する尖閣諸島などだ◆離島紹介のイベントで試しに売ったところ好評だったことから市販された。発行元の日本離島センターは全国離島振興協議会を母体に生まれた◆協議会初代事務局長だった民俗学者宮本常一は1958年の著作で島の中学生の「ためいきにも似た作文」を取り上げた。運動場は狭く、野球をするにも球が海へ落ちないようバットを左で持つ。島の生活は単調だ。父や母は急傾斜の畑を朝から晩まで耕す。〈自分は大きくなったら一たい何をしたらいいのだろう〉◆離島は今も悲哀に満ちている。人口減と高齢化は止まらない。公共事業頼みを脱せず、民主党政権の「コンクリートから人へ」で打撃を受けた◆離島を「国の末端」と呼んだ宮本は「政治は末端において充実していてこそ、真の政治といえる」と説いた。地図を見てこの言葉をかみしめたい。

2012年1月16日01時17分  読売新聞)

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