
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52696 Content-Type: text/html ETag: "a19cd-1e59-4b61ab60fc304" Expires: Wed, 11 Jan 2012 01:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 11 Jan 2012 01:21:41 GMT Connection: close
![]() 野田外交の責務 日本の存在高める戦略を持て(1月10日付・読売社説)日本外交の地盤沈下が指摘されて久しい。6年連続で首相が交代し、国際社会での日本の存在感は一層薄まっている。 昨年は、東日本大震災に対し世界中から温かい支援を受けた。国際的な連帯は外交の重要性を再認識させた。 日本は今年、内向き姿勢を排し、自らの存在を高める能動的な外交を展開することが肝要だ。 優先して取り組むべきは、野田首相が「日本外交の基軸」と強調する日米同盟の深化である。 ◆首相訪米で同盟深化を◆ 日米両政府は今年、野田首相の公式訪米を検討している。 本来は、日米安全保障条約改定50周年の2010年に首相訪米と同盟深化の共同文書の発表を計画していたが、日本の政局の混乱などで先送りされ続けてきた。今年こそ、実現せねばなるまい。 米軍普天間飛行場の移設問題を前進させることが大切だ。 政府は昨年末、名護市辺野古に建設する代替施設の環境影響評価書を沖縄県に提出した。最大の関門は、「県外移設」を公約した仲井真弘多知事から公有水面埋め立ての許可を得ることだ。 野田首相は、普天間問題や在沖縄海兵隊のグアム移転、沖縄振興などに関する沖縄県との包括的な合意を目指さねばならない。 「アジア重視」路線を鮮明にしたオバマ政権と、膨張する中国に共同で対処するための戦略対話を重ねることも重要となる。 経済や海洋問題で国際ルールを順守する方向に中国を誘導するには、日米が緊密に連携し、東アジア首脳会議やASEAN地域フォーラム(ARF)などの多国間会議や、日米韓、日米印、日米豪の枠組みを活用する必要がある。 ◆「拉致」前進へ連携強化◆ 北朝鮮の金正日総書記の死去で朝鮮半島情勢は不透明になった。不測の事態に備えるため、日米だけでなく、中韓両国との緊密な情報共有と政策調整が不可欠だ。 有事を想定した作戦計画の策定や共同演習の実施など、日米韓の防衛協力も拡充したい。 韓国は昨年12月、いわゆる従軍慰安婦問題を提起してきたが、日本は、請求権問題は解決済みとの立場を一切変更すべきではない。同時に、日韓関係を未来志向で発展させることも求められよう。 北朝鮮の指導者交代を、 政府は先月末、拉致問題対策本部の体制を強化する方針を決定した。米中韓露各国との連携を密にし、核問題と拉致問題を同時に動かす戦略を練らねばならない。 ロシアでは、3月の大統領選を経てプーチン首相が大統領に復帰することが確実視されている。 メドベージェフ大統領は、北方領土の2島返還を明記した1956年の日ソ共同宣言さえ認めない立場で、国後島訪問を強行し、日露関係は冷却化した。大統領交代を関係改善の機会としたい。 ロシアは今年9月、ウラジオストクでアジア太平洋経済協力会議(APEC)を主催する予定で、日本にエネルギー協力を求めている。ロシアの出方に応じた柔軟かつ戦略的な外交が求められる。 日本では今年、多くの国際会議が開かれる。5月には沖縄で太平洋・島サミットを開く。夏に大規模災害の閣僚級会議、10月に国際通貨基金(IMF)・世界銀行総会、年末に原子力安全に関する閣僚級会議が予定されている。 大震災からの日本の復興と、震災の教訓を踏まえた防災、世界経済、原子力の各分野における日本の新たな役割をアピールすべきだ。それが各国からの震災支援に対する恩返しともなろう。 ◆ODA削減に歯止めを◆ 日本が国際的な発言力を確保するには、外交の「武器」である政府開発援助(ODA)予算の削減に歯止めをかけねばならない。 ODAは13年連続で減少し、今はピーク時の約半分にすぎない。支出額は世界5位に後退した。 ODAの効果的な活用で、中国の台頭をにらんだ東南・南西・中央アジア諸国との戦略的関係を構築すべきだ。資源が豊富なアフリカ各国への援助も拡充したい。 国連平和維持活動(PKO)などの国際協力に、より積極的に参加することも大切である。 政府は、昨年独立した南スーダンでのPKOに近く陸上自衛隊の先遣隊を派遣する。3月下旬までに施設部隊約240人を送り、首都ジュバ近郊で道路や橋の整備を行う予定だ。南スーダンの国造りに貢献する意義は大きい。 現地の治安は現在、安定しているが、情勢が変化する可能性もある。自衛隊員の安全確保には、武器使用基準を国際標準並みに拡大し、任務遂行目的の使用を可能にする必要がある。 この長年の懸案を、そろそろ政治の責任で解決すべき時だ。 (2012年1月10日01時15分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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