HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 11 Jan 2012 03:21:13 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:法律には「抜け穴」がある。穴が広がり骨抜きになっていること…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 法律には「抜け穴」がある。穴が広がり骨抜きになっていることもある。刑事裁判はその一例だ。刑事訴訟法には、法廷での証言に代えて書面を証拠にできない、と書いてあるが、規定には「例外」がある▼検事調書と証言が食い違う時、調書の方が信用できるという特別な状況があれば、調書を証拠として裁判所に提出できるのだ。悪名高い「調書裁判」はここから生まれた▼同じ司法試験を通った仲間意識からか反対尋問で調書の内容が揺らいでも、裁判官は検事の言い分を信用しがちだ。裁判員制度の導入で改善しつつあるが、例外は建前を骨抜きにして、裁判官の前で立証する口頭主義の原則は形骸化している▼原発の運転期間を四十年に制限する原子炉等規制法の改正案が発表された。原発の寿命が法律で明記されるのは初めてで、政府の方針の大転換ではある。新規建設がなければ「脱原発」は確実に進むだろう▼ただし、ここにも例外がある。審査を通れば延長可能だ。「延長申請があってもシビアにみていく。(延命は)極めて厳しい」と細野豪志原発事故担当相は語るが、再稼働への地ならしという見方は消えない▼省益に反する法律を骨抜きにするのは官僚の得意技だ。四十年で原発を廃炉にするという法改正に抜け道をつくらせないために重要なのは、事故を風化させないという私たちの意志である。

 

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