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1月10日付 編集手帳

 新橋、京橋、数寄屋橋…「橋」といっても、川や掘割はない。東京では多くが戦後の高度成長期に埋め立てられ、姿を消した◆「大正というのは、東京にまだ水があった時代ですね」。30年ほど前に発行された『大正および大正人』という雑誌の座談会で、挿絵画家の風間完さん(大正8年生まれ)が語っている◆明治と昭和が激動の大河であるならば、モダンで伸びやかな“大正浪漫”には、街の灯を映す東京の川を思わせるところがある。明治から大正に年号が改まったのは1912年の7月30日、今年は改元から満100年を迎える◆大正に生まれ合わせた子供は不幸だと思う――と、国文学者の池田弥三郎さん(大正3年生まれ)が同じ座談会で述べていた。「スペイン風邪に関東大震災、やがて兵隊にとられて…」。日本が敗戦の焦土から見事に立ち上がったのは、震災をはじめとする数々の苦難を肌で知る世代が、一家の父として母として奮闘してくれたおかげだろう◆大正生まれの100歳も誕生する。喜びと悲しみをこもごも映した川の流れを知る人たちに、教えていただきたいことはたくさんある。

2012年1月10日01時15分  読売新聞)

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