
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52342 Content-Type: text/html ETag: "a863a-1dff-4b5b6a08bd7d9" Expires: Wed, 04 Jan 2012 22:21:38 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 04 Jan 2012 22:21:38 GMT Connection: close
![]() 混迷の日本政治 「消費税」を政争の具にするな(1月5日付・読売社説)日本が直面しているのは一刻の猶予も許されない課題ばかりである。 震災復興や原子力発電所事故の対応、消費税率引き上げと社会保障制度改革、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加、外交・安全保障体制の立て直し……。 肝心の政治は、衆参ねじれ国会の下、必要な政策を実現できない。国民の閉塞感は強まっている。 今年は、9月に野田民主党代表と谷垣自民党総裁が任期切れを迎える。それに向けて2大政党で党内の権力抗争が強まり、政治は一層目先の利益に左右されよう。 だが、そうであっても、民主、自民両党は、大局観と戦略を忘れずに行動すべきである。 ◆破綻した公約と決別を◆ 野田首相は4日の年頭記者会見で、社会保障と税の一体改革について、「これ以上先送りできない」と述べ、3月末に関連法案を国会に提出する意向を強調した。 現役世代の負担に頼る現行制度では高齢者を支え切れなくなるのは明らかだ。すべての世代が負担を分かち合う消費税で財源を賄わないと、欧州のような財政危機さえ現実味を帯びてくる。 それなのに、小沢一郎元代表や鳩山元首相ら民主党議員の一部は、消費税率の引き上げに公然と反旗を翻している。 「世論受けしない政策を掲げると選挙で勝てない」という保身の論理が見え隠れする。破綻した政権公約(マニフェスト)の墨守をいまだに主張するのは、国民を欺く行為にほかならない。 昨年末、消費税を巡る民主党内の論議で、反対派は議員定数削減や国家公務員給与の削減など「自ら身を切る改革」を強く求めた。首相も、「通常国会のなるべく早い時期に実現させたい」と積極的な姿勢を示している。 無論、政治改革、行政改革は必要である。だが、これを消費税の関連法案提出の前提条件としてはなるまい。反対派の狙う増税先送りの口実になりかねない。 首相は、党内はもとより国民を 「不退転の覚悟」を実行に移すための発信力と調整力が、まだまだ足りない。 野田首相は、社会保障と税の一体改革について、来週、野党に協議を呼びかける考えを明らかにした。それには、野党との関係を改善しなければならない。 ◆野党も責任を免れない◆ 臨時国会で参院の問責決議が可決された一川防衛相、山岡消費者相について自民、公明両党などは両氏の出席する審議を拒否する構えだ。本来は、採ってはならない戦術である。 だが、通常国会で、38兆円もの赤字国債を発行するための特例公債法案など予算関連法案を成立させるには、野党の協力が欠かせない。野田首相は、内閣改造で閣僚を入れ替えるなど、事態の打開を図る必要がある。 自民党の谷垣総裁は4日、記者会見し、首相が消費税問題で協議を呼びかけたことに関連し、民主党のマニフェストは消費税率の引き上げを前提としておらず、「民主党政権にこの問題を発議する資格はない」と述べた。 その上で、改めて早期の衆院解散・総選挙を求めている。 消費税を政争の具にすべきではない。法案提出前の衆院選となれば、増税の是非が争点となり、制度改革は先送りされかねない。 谷垣氏は消費税率10%への引き上げを2010年参院選で公約したことにも言及し、この方針は推し進めると語った。 その自民党の主張通り、政府・民主党が税率引き上げに政策を転換したのに、実現を妨害するのは、本末転倒である。 ◆「話し合い解散」目指せ◆ 日本が危機的な財政状況に陥ったのは、長年政権を担当してきた自公両党の責任も大きい。 財政再建は、どの政権も避けて通れない。自民党が仮に次期衆院選で勝っても、参院は自公両党でも過半数を得ておらず、民主党に協力を求めざるを得ないのだ。 自公両党は、民主党と、社会保障と税の一体改革に関する協議のテーブルにつくべきだろう。 与野党は、消費税の関連法案を早期に成立させて、事実上の「話し合い解散」に持ち込むことを模索してはどうか。 森元首相も、消費税率引き上げや選挙制度改革などで与野党が成果を上げてから、次期衆院選で「どの党が頑張ったか」を国民に問えばいい、と語っている。 自公両党は、TPPや米軍普天間飛行場移設の問題では傍観するのか。政権を批判するだけでなく、自ら明確な方針を掲げて論戦を挑み、議論を深めてもらいたい。 そうしたプロセスが、連立の組み替えなど、強力かつ安定した政治体制の構築を目指す動きにもつながるはずである。 (2012年1月5日01時51分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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