HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50424 Content-Type: text/html ETag: "a3a1b-1653-4b551c1c9cfb8" Expires: Sat, 31 Dec 2011 01:21:39 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 31 Dec 2011 01:21:39 GMT Connection: close 日印首脳会談 経済や安保で戦略的な連携を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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日印首脳会談 経済や安保で戦略的な連携を(12月31日付・読売社説)

 日本とインドが、経済や安全保障などで幅広く連携し、「戦略的利益」の共有を確認したことの意義は大きい。

 訪印した野田首相はシン首相との会談で、デリー・ムンバイ間の貨物鉄道や沿線の工業団地建設を中核とする巨大事業へ、45億ドル(約3500億円)を融資することを表明した。

 インドが計画中の高速鉄道については、新幹線の技術を活用するよう求めた。

 インドは今後5年間で1兆ドル(約78兆円)の社会資本投資を予定している。その柱となる交通網整備への支援は、インドの経済発展を支えるだけでなく、日本の商機拡大にもなるだろう。

 共同声明には、両国企業がインドでレアアース(希土類)を共同生産する方針が明記された。日本には、輸出を規制する中国への依存度を下げる道が開ける。レアアースの安定的確保につなげたい。

 安全保障分野では来年、海上自衛隊とインド海軍が共同訓練を行うことを確認した。インドは中東からの海上交通路(シーレーン)の要衝にある。その安全は、野田首相が講演で語ったように「両国の死活的な利益」に直結する。

 防衛当局の事務レベルに加え、制服組が連携することは重要だ。中国海軍のインド洋進出へのけん制にもなる。

 日印が交渉中の原子力協定について「妥結に向け一層努力する」ことで一致したのは妥当だ。

 インドは、核兵器を開発した中国への対抗上、自らも核兵器を保有した。一方で、核実験凍結を宣言し、民生用の原子力施設に対する国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れる方針だ。

 野田首相は、こうしたインドの姿勢を前提に「核軍縮、不拡散に十分に配慮し、交渉を進めたい」と述べた。インドが、日本の原子力技術を兵器開発に転用しないことなどを明確にすれば、交渉の前進にプラスになろう。

 慢性的エネルギー不足に悩むインドは「原発大国」を目指し、現在約20基を稼働中で、さらに20基程度増やす計画だ。

 原発の受注を目指す米仏両国も日本製の部品が欠かせないため、日本に協定締結を促している。

 日本は原発事故の教訓を生かし、インドの原子力安全に貢献すべきだ。日本の原発ビジネスの推進にも弾みがつくはずだ。

 2005年以降、日印両国は毎年、首相の相互訪問を続けてきた。今後も首脳会談を重ね、より緊密な関係を築きたい。

2011年12月31日01時30分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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