HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 30 Dec 2011 01:21:45 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:前立腺がんと闘いながら生涯現役を貫き、おととい七十四歳で亡…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 前立腺がんと闘いながら生涯現役を貫き、おととい七十四歳で亡くなった男子プロゴルファーの杉原輝雄さんは、予選落ちをして落ち込んでいても、家で待つ犬の顔を見たら気分が晴れるという大の動物好きだった▼ペットブームの陰で殺処分されるペットの多さに胸を痛め、飼い主から捨てられたり、親からはぐれたりした犬や猫などの動物を保護するNPO法人「日本アニマルトラスト」の理事を務めていた▼十四年前、ちょうどがんが発見されたころのことだ。いつも見掛けていた近所の白い猫が、道路の溝にはさまって動けなくなっていた。車にはねられたようで、下半身がまひしていたこの猫を見かねて家で飼うことにした▼当時、がんを公表した杉原さんには多くの激励の手紙が届いたが、おむつを当てて前脚だけで歩く猫の姿に一番励まされたという(『杉原輝雄 魂の言葉』)▼現役にこだわり手術という選択を避け、投薬治療を受けながらプレーを続けた。発見から十年間ほどはおとなしくしていたがんは今年、骨にも転移し、中日クラウンズの連続出場記録も五十一年で途切れた。さぞ無念だったと思う▼杉原さんが理事を務めた日本アニマルトラストは四月から、被災地に置き去りにされた動物を保護し、飼い主に戻す活動を続けている。マムシと呼ばれた希代の勝負師も、見守ってくれるに違いない。

 

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