HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50577 Content-Type: text/html ETag: "a81df-1653-4b5293d169e3c" Expires: Thu, 29 Dec 2011 00:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 29 Dec 2011 00:21:42 GMT Connection: close 2011回顧・日本 震災に耐え「絆」確認した1年 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




現在位置は
です

本文です

2011回顧・日本 震災に耐え「絆」確認した1年(12月29日付・読売社説)

 かつてない試練に見舞われた年として、日本人の記憶に永く刻まれることになるだろう。

 本紙読者が選ぶ「日本10大ニュース」で、「東日本大震災、死者・不明者約2万人」が1位、「東京電力福島第一原発の事故で深刻な被害」が3位となった。

 「3・11」から9か月半が過ぎた。政府の政策決定の遅れが災いし、復興の道筋は不透明だ。大量のがれき処理、津波浸水地域の街の再建、被災地での雇用確保など、課題が山積している。

 政府のもたつきとは対照的に、震災直後から多くの民間ボランティアが現地に入り、被災者を支え続けた。人と人との「絆」が再認識された年ともなった。

 福島第一原発の放射能漏れ事故は、原発の安全神話を打ち砕き、深刻な電力不足を招いた。首相官邸が情報の把握すらできない危機管理のお粗末さに、憤りを感じた人も多かっただろう。

 今月、原子炉の「冷温停止状態」が達成されたが、応急措置が終わったにすぎない。政府・東電は長期にわたる原子炉の解体作業、汚染地域の除染、住民の健康管理に全力で取り組む必要がある。

 震災対応では民主党政権の混迷ぶりも目立った。菅前首相は退陣表明後も政権に居座り、唐突な「脱原発」宣言で政府内や国民を混乱させたあげく、野田首相にバトンタッチした。5位は「新首相に野田佳彦氏」である。

 8位に「大阪ダブル選、橋下氏が大阪市長、松井氏が府知事に初当選」が入った。政権党の体を成していない民主党だけでなく、ねじれ国会で対決姿勢ばかりが目立つ自民党などの既成政党に対する不信の表れと言える。

 一方、日本中を元気づけたのが「サッカー『なでしこジャパン』世界一」(2位)だ。ワールドカップ決勝で強豪・米国に競り勝った女子選手の粘りは、被災地に勇気と希望を届けた。

 同じスポーツでも、「大相撲で八百長発覚、春場所中止に」(4位)のニュースはファンを失望させた。今年、琴奨菊と稀勢の里の2人の日本人大関が誕生したことは、せめてもの救いである。

 6位に入った「スカイツリー『世界一』634メートルに到達」も明るい話題だ。来年5月には、いよいよ開業を迎える。

 東京タワーは戦後復興のシンボルとして開業し、日本は驚異的な高度成長を成し遂げた。来年は、震災復興に向けて確かな一歩を踏み出す年にしたい。

2011年12月29日01時10分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です