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12月29日付 編集手帳

 〈ラフあれば苦あり〉はゴルフを愛した映画評論家、双葉十三郎さんの作といわれる。アマチュアの愛好家はもちろんのこと、プロもうなずくだろう◆きのう74歳で死去した杉原輝雄さんは稀有(けう)の人であったらしい。ラフどころかバンカーも苦にしなかった。49年前に日本オープンで初優勝したときは、「バンカーは得意なので、17番ではわざと入れた」と語っている◆身長162センチ。口癖は「プロゴルファーの中で僕が一番飛ばない」。正確無比なショットと、“マムシ”と呼ばれた勝負への執念で、体格の不利をはねのけた◆「生涯現役」を体現した人でもある。60歳で前立腺がんを患い、投薬治療を続けながらツアーに出場した。国内最年長の予選通過記録を達成したのは闘病生活に入ったのち、68歳のときである。「(プロに転向した16歳の石川遼選手を)僕は一方的にライバルだと思っている」と語ったのは、70歳のときだった◆前を向く、ただそれだけのことがむずかしいご時世である。病気という人生の草深い“ラフ”にうつむくことなく、前を向いてクラブを一心に振りつづけた人に、頭が下がる。

2011年12月29日01時13分  読売新聞)

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