HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50467 Content-Type: text/html ETag: "b7a77-1675-4b515515573f2" Expires: Tue, 27 Dec 2011 22:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 27 Dec 2011 22:21:40 GMT Connection: close 「普天間」評価書 基地や振興で包括的な合意を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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「普天間」評価書 基地や振興で包括的な合意を(12月28日付・読売社説)

 本来、淡々と実施されるべき行政手続きが、政治問題化して、混乱を招いたのは残念だ。

 政府は、米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古移設に関する環境影響評価書を沖縄県に発送した。配送業者の車は県庁に着いたが、移設反対派の市民団体に阻まれ、評価書は搬入できなかった。

 仲井真弘多知事は、関連法令に従って評価書を受理する方針を表明している。正当な行政手続きが反対派の妨害行為で滞ったのは、法治国家として問題だ。

 評価書は、代替施設における新型垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを含む全機種の騒音が、国の環境基準を下回るとしている。代替施設の埋め立て工事の環境への影響も限定的とされる。

 代替施設工事に伴う環境問題は、科学的根拠に基づき、冷静に議論されるべきだろう。

 評価書の提出は、移設手続きの一つの節目にすぎない。

 肝心なのは、公有水面埋め立ての許可権限を持つ仲井真知事が、辺野古移設を容認することだ。知事は27日、「承認には、まずならない」と述べ、埋め立てを許可しない可能性に言及した。

 政府は沖縄の負担軽減と日本の安全保障を両立させるため、知事の説得に全力を尽くすべきだ。

 辺野古移設が頓挫すれば、普天間飛行場の現状が長年、固定化される。海兵隊8000人のグアム移転と、普天間など米軍6施設の返還も白紙に戻ってしまう。

 政府と沖縄県はまず、この点で認識を一致させる必要がある。普天間問題の実質的な進展がない限り、米連邦議会がグアム関連予算の凍結を解除しないからだ。

 辺野古移設と海兵隊移転を同時並行で進めるか、どちらも断念するか、の二者択一しかない。どちらの選択が良いのか、政府と沖縄県は冷静に話し合ってほしい。

 政府は、来年度の沖縄振興予算を大幅に増加させた。普天間問題の前進を期待し、沖縄県に異例の配慮をしたものだが、これは来年度に限った措置にすぎない。

 米軍施設返還後の跡地を利用した地域振興など中長期的な沖縄の将来像について協議を深め、沖縄県との接点を探る必要がある。

 普天間以外の米軍再編や米軍訓練の県外・国外移転による地元負担の軽減や、日米地位協定の運用見直しなども話し合い、包括的な合意を追求してはどうか。

 仲井真知事の決断が重要だ。何が沖縄と日本のためになるのか、慎重に判断してもらいたい。

2011年12月28日01時24分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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