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12月28日付 編集手帳

 恋のなれそめを、女が語る。「つい同情して――ドジョウが(こい)になり…」(倉本聰『浮浪雲』、理論社版より)。夏目漱石『三四郎』にも〈可哀想(かわいそう)だた()れたって事よ〉とあり、ドジョウとコイは近縁種であるらしい◆野田首相の場合はどうだろう。「泥の中に隠れたりせず、政権を危なくする問題も突破していく気力を持って、ドジョウからコイに跳ね上がってもらいたい」。テレビ番組の収録で中曽根康弘元首相が注文したという◆顕微鏡で探すほどの面積にもせよ、野田内閣にはドジョウならぬ同情の余地がなくはない◆前々内閣からは鳩山由紀夫首相(当時)の場当たり発言で混迷した「普天間」を引き継いだ。前内閣からは、初動の不手際が指摘される「原発事故」を引き継いだ。菅直人首相(当時)の指示ではないとはいえ、意思疎通の悪さを露呈した海水注入の中断をめぐる混乱は不手際の象徴だろう。負の遺産を背負いつつ、コイに跳ね上がれるか。まずは「消費税」が脱ドジョウの試金石になるのは間違いない◆コイはコイでも、期待倒れで世間からひじ鉄を食う“失恋内閣”は願い下げである。

2011年12月28日01時24分  読売新聞)

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