HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49627 Content-Type: text/html ETag: "2f597b-163f-4b4ecfdf5fc9f" Expires: Mon, 26 Dec 2011 03:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 26 Dec 2011 03:21:37 GMT Connection: close 日本再生戦略 民間の知恵取り入れ肉付けを : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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日本再生戦略 民間の知恵取り入れ肉付けを(12月26日付・読売社説)

 政策課題を羅列しただけでは、「戦略」の名に値しないだろう。

 政府の国家戦略会議が日本経済の成長力強化を目指す「日本再生の基本戦略」を決めた。

 基本戦略は、東日本大震災の被災地復興を日本再生の先駆けと位置づけ、経済連携の強化や新産業の創出をテコに、新たな成長分野を開拓するとしている。

 菅前政権が約1年半前に決めた新成長戦略を踏襲し、2020年度まで平均で実質2%、名目3%の高い経済成長目標を掲げた。震災を踏まえて、成長戦略を見直すという狙いはいい。

 しかし、肝心の中身はこれまでの施策を再録した部分が多い。ありきたりのメニューが並んだのは物足りない。

 個別に示した重点政策は、「中小企業の潜在力・経営力の強化」「成長マネーの供給拡大」といった抽象的な表現が目立つ。実現の処方箋も示されていない。

 こうした内容になった主因は、国家戦略会議の議論が基本的に事務局の原案に沿って進められ、全体の討議も短時間で生煮えだったためではないか。

 国家戦略会議は、基本戦略を肉付けし、来年夏ごろに「日本再生戦略」としてまとめるという。

 成長戦略が、役所の作文の「寄せ集め」になることは避けねばならない。民間のアイデアを大胆に取り入れ、効果の高い政策を大胆に打ち出してほしい。

 そもそも現行の新成長戦略は目に見える成果に乏しく、経済政策は停滞が続いている。

 むろん震災の影響を受けた面はあるが、民主党政権による誤った政治主導のために、府省間の利害調整や連携が、うまく機能しなくなったことも要因といえる。

 国家戦略会議は、野田首相のもと閣僚と有識者、経済界代表らが集まり、政策決定の司令塔になると期待された。

 だが、外交・安全保障はもとより、社会保障と税の一体改革や環太平洋経済連携協定(TPP)の参加問題など重要政策には関与していない。基本戦略の策定を見ても、看板倒れに終わりそうだ。

 かつての経済財政諮問会議のような強い権限を持たず、政策の実現について各府省へ「にらみ」が利かない点もマイナスである。

 少子高齢化や人口減少が進む日本にとって、成長戦略の強化は喫緊の課題だ。首相は国家戦略会議をもっと有効に活用し、経済の安定成長に向けた青写真を、しっかり描いてもらいたい。

2011年12月26日01時17分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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