HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 25 Dec 2011 02:21:24 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:政府予算案 消えうせた政権公約:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

政府予算案 消えうせた政権公約

 二〇一二年度の政府予算案が決まった。八ッ場ダムの建設再開が象徴するように民主党が掲げた政権公約は跡形もない。野田佳彦政権は増税に傾斜する前に、自らの約束をしっかり検証すべきだ。

 民主党のいいかげんさを一日に凝縮して見せられたような思いがする。前田武志国土交通相が八ッ場ダムの建設再開方針を明言すると、前原誠司政調会長は「閣議決定させない」と胸を張った。

 だが、翌日には言葉を翻し、一転して再開方針を容認した。前原氏の強気の背景には、閣議決定には「党の了承を前提とする」という野田政権が決めた大方針があったからだ。

 そもそも八ッ場ダムの建設中止は民主党が〇九年総選挙で掲げた政権公約の重要な柱である。今回のてん末は政権公約を守れなかっただけでなく、自分たちで決めた政策決定のシステムさえ守れないでたらめさを見せつけた。

 再開を決めた最終局面で登場した「官房長官裁定」なるものも、一読して国民にはさっぱり分からない。ようするに政権が国民に顔を向けていないのである。

 そんな一夜のドタバタ劇を演じて八ッ場ダム再開を決めた一方、政府予算案はといえば、一般会計が九十兆三千億円、復興予算を別枠の特別会計にして三兆七千億円、さらに基礎年金・国庫負担割合の引き上げに伴う財源二兆六千億円は直ちに財源手当てを必要としない交付国債で賄った。

 全部合わせれば九十六兆円を超える過去最大の規模である。税収は四十二兆円しかなく、歳出の半分にもならない。借金が税収を上回るのは三年連続だ。

 こうした数字だけを見れば、日本の財政は持続不可能に見える。だから歳出の無駄を切り詰め、行政の効率化を図り、なにより経済成長を促すように「国のかたち」を変えていく必要がある。

 民主党もそう考えたからこそ二年前に「脱官僚・政治主導」「地域主権」を掲げて総選挙を戦い、政権を握ったのではないか。それはどうやら期待外れだった。政権交代から三回目になる予算案をみる限り、改革の約束はほごにされてしまったからだ。

 特別会計と合わせた予算組み替えができないのに、子ども手当を試みて失敗し、議員定数削減や年金制度改革、国家公務員総人件費の二割削減も先送りである。国家公務員の冬のボーナスは逆に前年度を上回った。それで消費税引き上げでは納得できない。

 

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