HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48013 Content-Type: text/html ETag: "2f4907-1207-4b4a703acb05c" Expires: Thu, 22 Dec 2011 21:22:16 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 22 Dec 2011 21:22:16 GMT Connection: close 12月22日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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12月22日付 よみうり寸評

 〈のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶(いちだ)の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう〉◆番組の冒頭で、毎回聞かされてすっかり覚えてしまった。明治の日本と、その時代の日本人を描いた名作を象徴するような文章だ。司馬遼太郎著「坂の上の雲」第一巻のあとがきにある◆のぼってゆくかれらとは秋山好古、真之兄弟、正岡子規ら明治の日本人、日本史上類のない幸福な楽天家たちである。NHKがこの大作をドラマ化し、3年がかりで放映したシリーズが終わる◆三部作の最終回「日本海海戦」は25日の日曜日。長編を読み進んで、残りのページがわずかになったときに味わうある種の寂しさにも似た思いがする◆司馬さんは「できれば映像化はしたくない」と言っていたというが、TVで楽しんだファンも少なくない。司馬さん描く明治の日本人の物語に触れた人が広がってよかったと思う◆前をのみみつめてあるいた主人公たちのような日本人は今どこにいるのだろうか。

2011年12月22日13時48分  読売新聞)

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