HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48161 Content-Type: text/html ETag: "f2d52-12bf-4b4b09b8b4236" Expires: Thu, 22 Dec 2011 21:22:14 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 22 Dec 2011 21:22:14 GMT Connection: close 12月23日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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12月23日付 編集手帳

 誰か、ひとの悲しみに触れると、触れた自分も染まる。染まることで苦難を分かち合うのだと頭では理解していても、体調や気分によっては染まりたくない日もある◆悲しい人とは会いたくもない/涙の言葉で()れたくはない――井上陽水さんの『青空、ひとりきり』にうなずく人は多いはずである。悲しい人と会い、涙の言葉に濡れることを使命と考えておられる方の、積もり積もった疲労はいかばかりだろう◆天皇陛下が78歳の誕生日を迎えられた。皇后陛下とともに東北3県をはじめとする被災地を訪問された天皇陛下にとって、これほど数多くの悲しい人に会われた年はなかったと拝察する◆先月は、風邪による発熱と気管支炎で入院されている。7週連続という時期もあった被災地訪問のお疲れは、まだ残っていよう。ご無理をなさらぬように◆ある年の植樹祭で皇后さまの詠まれたお歌がある。〈初夏(はつなつ)の光の中に苗木植うるこの子どもらに(いくさ)あらすな〉。すこやかな子供たちの姿を見ても、その前途から万々が一の影を追い払わずにはいられない。皇室の祈りとは心の重労働であると、つくづく思う。

2011年12月23日01時15分  読売新聞)

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