HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49449 Content-Type: text/html ETag: "a4432-16d9-4b488692d126f" Expires: Tue, 20 Dec 2011 21:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 20 Dec 2011 21:21:09 GMT Connection: close 日米外相会談 「核」「拉致」進展へ協力強化を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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日米外相会談 「核」「拉致」進展へ協力強化を(12月21日付・読売社説)

 北朝鮮の指導者の交代を、核開発と日本人拉致問題という長年の懸案を解決するための足がかりとしたい。

 玄葉外相とクリントン米国務長官がワシントンで会談し、北朝鮮の金正日総書記の死去について「朝鮮半島における平和と安定に悪影響を与えないことが重要だ」との認識で一致した。

 日米両国が韓国、中国、ロシアなど関係国と情報共有を進め、協調することでも合意した。

 野田首相とオバマ大統領も電話で、朝鮮半島の安定化へ日米両国が連携することを確認した。

 当面、北朝鮮でのクーデターや軍事的挑発など、不測の事態を招かないようにすることが、日米だけでなく、中韓両国を含む関係国の共通の利益だ。各国の緊密かつ重層的な協力が求められる。

 中長期的には、金総書記の後継者の金正恩氏ら新指導部に対し、疲弊した経済の再建には核放棄が欠かせないことを伝え、その方向に誘導することが肝要となる。

 重要なのは、食糧やエネルギー支援を通じて北朝鮮に影響力を及ぼしている中国との連携だ。

 いかに北朝鮮に働きかけるか、日米は中国と協議し、具体的な戦略を練らねばならない。

 最近の米朝協議では、食糧支援とウラン濃縮活動の停止に関する交渉が一定程度進んでいた。年明け以降の次回協議と、その後の6か国協議に向けて、関係国の足並みをそろえることが大切だ。

 外相会談では、玄葉外相が日米中3か国の対話の枠組みを作ることを提案し、クリントン長官も賛同した。中国は慎重だが、日米中の対話はアジアの平和と繁栄にとって大きな意味を持つ。粘り強く実現を追求したい。

 日本にとっては、膠着(こうちゃく)状態にある拉致問題を前に動かすことも、最重要の課題である。

 北朝鮮が2008年9月に拉致被害者の再調査の約束を一方的に反故(ほご)にして以来、日朝協議は一度も開かれていない。

 玄葉外相は会談で、拉致問題への米国の協力を要請した。金総書記死去が拉致問題の進展の契機となることを期待する被害者家族らの声を踏まえたものだ。

 核問題が進めば、拉致問題も動く可能性がある。拉致問題では従来、米韓両国と日本の間に温度差もあったが、最近、両国は日本の立場を一貫して支持しており、国際環境は悪くない。

 無論、北朝鮮に対して楽観は禁物だが、政府は今こそ、拉致問題の前進に最大限努力すべきだ。

2011年12月21日01時17分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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