HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 20 Dec 2011 23:22:19 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:<棺を蓋(おお)いて事定まる>は、人間の真の評価は死後にな…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 <棺を蓋(おお)いて事定まる>は、人間の真の評価は死後になって初めて定まり、生きている間は公平な判断はできない、という格言だ。中国晋代の歴史を書いた『晋書』が出典である▼指導者を評価することは難しい。体制への不満を表明すると、収容所に送られる独裁国家では、トップが倒れても政治体制が崩壊しない限り国民は評価する材料さえ持たない▼北朝鮮の国営放送はきのう、金正日総書記の死を伝えた。視察に向かう列車の中で、心筋梗塞を起こし、十七日に急死したという。六十九歳だった▼国営放送が「後継」を明言した三男の正恩氏(28)の政治手腕はまったくの未知数である。実力会長が急死した後、三代目の「若社長」がどう振る舞うのか、造反する役員はいないのか。閉ざされたコップの中の嵐に世界が目を凝らす▼日本人の拉致被害者家族には、期待と不安が交錯している。進展は期待したいが、後継者をめぐる争いが起きた時、残された被害者の安全が脅かされることはないか。この揺れる気持ちを日本政府は受け止めてほしい▼多くの餓死者を出していながら軍事力の強化を優先させる「先軍政治」など長く続くはずがない。金総書記の死は、「王朝」が倒れ、民衆が解放される「終わりの始まり」になるはずだ。彼の評価が、北朝鮮の民衆によって「事定まる」時は遠くない。そんな予感がする。

 

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