HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49341 Content-Type: text/html ETag: "2f486b-166b-4b46012780d84" Expires: Mon, 19 Dec 2011 22:21:48 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 19 Dec 2011 22:21:48 GMT Connection: close 日韓首脳会談 慰安婦で安易な妥協は禁物だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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日韓首脳会談 慰安婦で安易な妥協は禁物だ(12月19日付・読売社説)

 いわゆる従軍慰安婦の問題で、日本が安易な妥協を図ることは、厳に慎む必要がある。

 野田首相と韓国の李明博大統領が京都で会談した。大統領は慰安婦問題について、元慰安婦が生きている間に「優先的に解決すべきだ」と述べ、「首相の決断」を求めた。

 首相は、賠償問題は法的に解決済みとする一方、「人道的な見地から知恵を絞ろう」と語った。

 大統領が慰安婦問題を提起したのは、韓国政府に解決への努力を求める憲法裁判所の決定や韓国世論の硬化などの事情があろう。

 だが、戦時中などの賠償請求権問題については、既に1965年の日韓国交正常化の際、「完全かつ最終的に解決された」との国際協定を締結している。

 政府は、この立場を堅持すべきだ。歴史認識にもかかわる問題であり、仮に「人道的な見地」から中途半端な措置を取っても、韓国側を満足させることは困難で、問題を複雑化するだけだろう。

 むしろ問題は、韓国の民間団体がソウルの日本大使館前に慰安婦を象徴する少女像を設置し、韓国政府が黙認していることだ。

 野田首相は会談で、少女像の早期撤去を要請した。大統領は「日本の誠意ある措置がなければ、元慰安婦が亡くなるたびに、第2、第3の銅像が建てられるだろう」などと反論した。

 この韓国側の主張はおかしい。外交関係に関するウィーン条約は、外交公館の「安寧の妨害または威厳の侵害を防止する適当な措置」を取る「特別の責務」が受け入れ国にある、と定めている。

 日本政府は、少女像設置の黙認は条約違反とみている。首相の主張は当然だ。今後も、粘り強く撤去を促さねばならない。

 会談で慰安婦問題が突出し、他の重要議題の議論が深まらなかった原因は、韓国側にある。ただ、慰安婦問題が、日韓関係を停滞させるのを避けることも重要だ。

 中断している経済連携協定(EPA)交渉について野田首相は、早期再開へ議論を加速させることを提案したが、大統領から前向きな回答はなかった。

 韓国は、対日赤字の拡大を警戒し、交渉再開に慎重だ。だが、日本が大胆な市場開放に踏み出せば互いに得るものは大きい。

 北朝鮮の核と拉致の問題も、日韓の足並みが乱れれば、北朝鮮を利する展開になりかねない。

 日韓双方が大局的見地から経済や安全保障問題で協力し、着実に前進させることが求められる。

2011年12月19日01時10分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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