
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51256 Content-Type: text/html ETag: "a4eed-1d47-4b4740e7cfcee" Expires: Tue, 20 Dec 2011 01:21:19 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 20 Dec 2011 01:21:19 GMT Connection: close
![]() 金総書記死去 「北」不安定化へ万全の備えを(12月20日付・読売社説)北朝鮮の金正日総書記が17日、亡くなった。 父親の金日成主席の死後、17年にわたり体制維持に腐心してきた独裁者の急死のニュースは、2日間伏せられた後、世界を駆けめぐった。父子世襲国家の北朝鮮が、さらに不安定になるのは、当面避けられない。 北朝鮮の後継体制はどうなるのか。外交政策に変化は生じるのか。来年、総選挙と大統領選を控えた韓国にどんな影響が及ぶのか。 核兵器・弾道ミサイル問題の行方や日本人拉致被害者の安全確保にも、不透明感が増している。 北東アジアの平和と安全を維持していくことが、最優先課題だ。重大な局面を迎えた朝鮮半島情勢に、日本など国際社会は冷静に対処していかなければならない。 北朝鮮の国営メディアの報道によると、金総書記は蓄積した過労により、列車の中で心筋梗塞に襲われ、急逝した。 ◆不安な「正恩」後継体制◆ 金総書記は、父親の金日成主席の生誕100年に当たる来年の4月を「強盛大国」へ発展する出発点と位置づけ、国内の経済生産拠点や軍施設で精力的に指導に当たっていた。その最中の訃報である。 北朝鮮のメディアは、金総書記の三男、28歳の正恩氏を、正式に「継承者」と報じ始めた。 正恩氏は昨年秋、党中央委員、党中央軍事委員会副委員長として政治の表舞台に初めて登場した。父親に付き従って後継者としての階段を上り始めたばかりだ。 3代目への権力継承過程はまだ初期段階に過ぎず、20年以上をかけた金日成―正日父子の時とは比較にならない。軍内部の支持も固まったとは言えない。 老練の幹部たちは、若い未熟な後継者をもり立てて、集団指導体制で政権交代期の混乱を最小限に抑え込もうとするだろう。厳しい統制国家の北朝鮮が、ただちに大混乱に陥るとは想定しにくい。 だが、 昨年、北朝鮮は黄海で、韓国の哨戒艦を魚雷攻撃で撃沈し、小島に砲撃する事件を起こしている。こうした武力挑発などへの警戒を国際社会は怠ってはならない。 ◆核兵器保有を許すな◆ とくに懸念されるのは、体制を護持するため北朝鮮がますます核兵器に固執し、核保有国としての既成事実化を図る事態だ。 金総書記は、長距離弾道ミサイル発射や核実験の実施によって、「軍事強国」を誇示した。 北朝鮮が今後、3回目の核実験や弾道ミサイルの発射を強行し、核ミサイル保有に至れば、アジアの安全保障環境は著しく悪化する。ノドン・ミサイルの射程内にある日本にとっては、直接の脅威が一気に増大することになる。 野田首相は安全保障会議を招集し、「情報収集態勢の強化」や「米国、韓国、中国など関係国と緊密な情報共有」を指示した。 当面は、様々な不測の事態に備えて自衛隊などの警戒監視活動を強化するとともに、北朝鮮の新体制の出方を慎重に見極める必要がある。 拉致問題は、3年前、北朝鮮が拉致被害者の再調査を一方的に打ち切って以来、 ◆中国の対応が重要だ◆ 首相は積極的な外交を展開すべきだ。25日からの訪中では、中国首脳と突っ込んだ意見交換をしてもらいたい。 北朝鮮の最大の支援国で、いち早く正恩氏を後継者として受け入れた中国の出方は不透明だ。ウラン濃縮など北朝鮮が核開発を進める現状を黙認して経済支援を拡大する中国のやり方は、北朝鮮の核能力向上を助けるだけである。 核問題を巡る6か国協議の再開に向けて、近く食糧支援やウラン濃縮活動の停止、査察官の受け入れに関して米朝協議が開かれる、と伝えられた直後でもあった。 核兵器・弾道ミサイル問題、そして拉致問題の解決は、金正日時代の未完の大きな「負の遺産」だ。それらは、そのまま後継者の手に委ねられることになった。 日米中韓露5か国はじめ国際社会は、北朝鮮の核保有を容認してはならない。 拉致問題解明への協力を拒み、核兵器を保有したままでは、破綻した経済を立て直すことはできない。それを、北朝鮮の新指導部に明確に自覚させる必要がある。 (2011年12月20日01時00分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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