
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49917 Content-Type: text/html ETag: "a238f-167d-4b46012756f1d" Expires: Sun, 18 Dec 2011 21:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 18 Dec 2011 21:21:41 GMT Connection: close
![]() WTO交渉断念 自由貿易にブレーキかけるな(12月19日付・読売社説)世界貿易の新たな国際ルール作りを目指した10年に及ぶ交渉が事実上、頓挫した。だが、これで自由貿易推進が滞ることは避けねばならない。 世界貿易機関(WTO)閣僚会議は、難航してきた新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)について、「近い将来に包括合意する見込みはない」との議長声明を採択した。 約150か国・地域が参加し、2001年末に始まった新ラウンドは、決裂を繰り返し、参加国の合意への熱意は薄れている。 議長声明は現実を踏まえ、行き詰まりを認めたと言える。 新ラウンドは、米同時テロ後に低迷する世界経済を貿易拡大でテコ入れし、アフリカなどの途上国を支援するのが狙いだった。 しかし、鉱工業品や農業分野の市場開放を巡り、中国、インドなどの新興国と米国が対立した。先進国間でも主張の隔たりが大きかったことが失敗の要因だ。 10年前にWTOに加盟した中国は、今では、世界第2位の経済大国に急成長している。新興国の発言力増大に伴い、複雑な多国間交渉を全会一致方式でまとめる難しさも浮き彫りになった。 深刻なのは、交渉立て直しの展望が描けないことだ。12年は米国、フランス、韓国の大統領選があり、中国では最高指導部が交代し、実質的な交渉は難しそうだ。 新ラウンドのもたつきから、2国間などで結ぶ自由貿易協定(FTA)と経済連携協定(EPA)への流れが加速している。すでに世界中で約300に増えた。 ただ、経済連携の枠に入れない途上国などは恩恵を受けられず、経済格差が広がる恐れがある。 そうした途上国を支援するためにも、これまでのWTO交渉の積み重ねを生かし、部分的な合意だけでも目指せないか。日本が率先して動くことが期待されよう。 併せて、日本の課題は、交渉参加に向け協議入りを表明した環太平洋経済連携協定(TPP)への取り組みも急ぐことだ。 農業分野の市場開放はTPPでも焦点となる。政府は農業の競争力を強化しなければならない。 閣僚会議では、ロシアのWTO加盟が承認された。不当に高い輸入関税をかける措置などを取ってきたロシアが、公正なWTOルールの義務を負う意義は大きい。ルール違反についての紛争処理も、WTOが持つ重要な機能だ。 リスクの軽減を追い風に、日本企業は、対ロシア投資や貿易を積極的に拡大してもらいたい。 (2011年12月19日01時10分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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