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12月17日付 編集手帳

 将棋の竜王戦七番勝負で対局者は、扇子に記念の揮毫(きごう)をする。渡辺明竜王が8連覇を遂げた今期は竜王が〈想〉、挑戦者の丸山忠久九段が〈創〉と書いた◆「棋士は将棋を指すことしかできない。被災地への(おも)いをこめて指したい」(渡辺竜王)。「被災地は大きな打撃を受けたが、これから新しいものを創っていかなければ」(丸山九段)。筆をとった心境を語っている◆被災した人々に心を寄せる〈想〉を忘れることなく、復興に大車輪の〈創〉へ。将棋でいう二手ひと組、両対局者の扇子は期せずして日本の歩むべき道筋を照らしている◆問題の原子炉が安定した停止状態に入ったと、野田首相が宣言した。ひとつの節目には違いないが、原子炉のみに限定しての表現とはいえ、「事故収束」の一語に違和感を覚えた人は多かろう。「百里を行く者は九十を半ばとす」の格言もある。くれぐれも気を緩めてはなるまい◆揮毫の〈想〉と〈創〉は、読みが「そう」で共通している。除染、がれきの処理、賠償のすべてに全力であたる〈総〉を。そして何よりも〈早〉を――首相には、「そう」一式を注文しておく。

2011年12月17日01時16分  読売新聞)

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