HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48787 Content-Type: text/html ETag: "338a2-1653-4b423e6c87265" Expires: Thu, 15 Dec 2011 21:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 15 Dec 2011 21:21:42 GMT Connection: close 日銀短観悪化 復興テコに景気の腰折れ防げ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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日銀短観悪化 復興テコに景気の腰折れ防げ(12月16日付・読売社説)

 東日本大震災による落ち込みから立ち直りかけた景気が、ここにきて足踏みしているようだ。

 日銀が15日に発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業・製造業の業況判断指数が悪化し、半年ぶりにマイナスに転じた。

 歴史的な超円高や欧州債務危機などで、輸出産業を中心に業績が厳しくなったためだ。多くの日系工場が被災したタイの大洪水も、悪影響を及ぼしたのだろう。

 大企業の非製造業や、中小企業の指数は小幅に改善したが、来年3月は悪化が見込まれる。企業が弱気になると、設備投資や雇用が絞られ、経済がさらに冷え込む悪循環に陥りかねない。

 政府・日銀は、第4次補正予算案の早期成立をはじめ、切れ目のない政策対応に万全を期し、景気の腰折れを防ぐ必要がある。

 今回の短観には、世界経済の変調が影を落としている。

 業種別では、情報技術(IT)需要の世界的な低迷が続く電気機械の悪化が目立つ。震災の打撃から復旧し、前回は過去最大の上昇だった自動車も、回復にブレーキがかかった。化学や非鉄金属など素材産業も悪化し始めた。

 短観で調査した今年度の業績予想は、製造業の経常利益が前回の0・2%増益から5・2%の減益へ大幅に下方修正された。

 当初は1ドル=84円台だった今年度の想定為替レートが、79円台の円高に振れた影響が大きい。

 政府・日銀は機動的な為替介入や追加金融緩和策で、行き過ぎた円高の是正を急ぐべきだ。

 内需中心の非製造業も、少子高齢化や長引くデフレで、需要の縮小に歯止めがかからないことが懸念される。

 こうした中で、期待されているのが震災復興の効果である。

 政府はすでに約15兆円の予算を手当てしたが、「復興特需」はまだ盛り上がっていない。復興事業を加速させて、景気回復を後押しすることが重要だ。

 その際、被災地を元に戻すだけでなく、民間の技術や知恵を生かして、新たに成長産業を育てる好機としてもらいたい。

 復興特区では新設企業の法人税が5年間免除されるなど、さまざまな優遇策がある。制度を上手に活用すれば、環境や情報通信など先進技術が集積する都市作りに弾みがつくだろう。

 民間企業が元気になれば、日本経済の活力は高まる。復興をテコに、閉塞状況を何とか打破しなければならない。

2011年12月16日01時22分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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