
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48737 Content-Type: text/html ETag: "a2871-166d-4b40f8a4affeb" Expires: Wed, 14 Dec 2011 23:22:14 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 14 Dec 2011 23:22:14 GMT Connection: close
![]() ヒッグス粒子 根源の謎解明に少し近づいた(12月15日付・読売社説)宇宙の起源を知りたいという根本的な問いの答えに、人類が一歩近づいたのだろう。 宇宙誕生の直後、万物に質量を与えた「ヒッグス粒子」の痕跡を示す確度の高いデータが見つかった。 スイスにある素粒子物理学の国際拠点、欧州合同原子核研究機関(CERN)がそう発表した。 宇宙の成り立ちを説明する素粒子物理学の「標準理論」が存在を予言し、40年以上にわたり、世界の物理学者が探索してきた。 他の素粒子に質量を与える特質から「神の粒子」と言われるヒッグス粒子の最終確認に向け、データを積み重ねることが必要だ。 今回の発表は、CERNの大型実験装置で得た研究に基づく。 1周27キロ・メートルの円形加速器を使っている。この中で原子核を構成する「陽子」を光速近くに加速し、二つの陽子を衝突させる。 その際に出る高エネルギーで宇宙創成時の状態を再現し、飛び出してくる様々な粒子から、ヒッグス粒子の痕跡を探し出した。 CERNでは複数の実験グループが挑んでおり、今回は、東京大学など日本の研究機関が中心のグループと、欧米主体のグループがそれぞれ成果を上げた。 日本は長年、素粒子物理学をお家芸としてきた。 ノーベル物理学賞受賞者も1949年の湯川秀樹博士以来7人を輩出しているが、そのうち6人は素粒子物理学の分野からだ。 3年前に受賞した南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授は、ヒッグス粒子の役割に関し、理論的な土台を考案したことで知られる。 こうした研究者層の厚さが、歴史的な成果を生んだと言える。 宇宙や万物の根源の探求は続く。ヒッグス粒子はどのように生まれたか。素粒子ごとになぜ質量が異なるのか。宇宙の膨張にどう影響したか。謎はなお多い。 今後も日本の貢献が期待されている。研究者の奮起とともに、政府もこの分野に予算を投入したり、人材育成に対する支援を強化したりすることが大切だ。 日本にCERNを上回る規模の加速器を国際協力で建設する構想が浮上している。東日本大震災の被災地である岩手県などが候補地となっている。 ヒッグス粒子の解明を踏まえて、さらに研究を広げる国際拠点ができれば、復興へ夢と希望を与えることになろう。 経済への波及効果も大きいはずだ。政府として、積極的に後押しすべきテーマである。 (2011年12月15日01時05分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
![]() ![]() ![]() |
![]() |
今週のPICK UPPR
![]()
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |
▲この画面の上へ |
会社案内|
サイトポリシー|
個人情報|
著作権|
リンクポリシー|
お問い合わせ| YOMIURI ONLINE広告ガイド| 新聞広告ガイド| 気流・時事川柳(東京本社版)への投稿| 見出し、記事、写真の無断転載を禁じます Copyright © The Yomiuri Shimbun. |