
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50693 Content-Type: text/html ETag: "a39f3-1d6a-4b3e7c22ee84a" Expires: Mon, 12 Dec 2011 22:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 12 Dec 2011 22:21:40 GMT Connection: close
![]() 消費税引き上げ 財政再建は先送りできない(12月13日付・読売社説)財政再建は待ったなしである。消費税率引き上げの実現へ、政府・与党の覚悟が問われよう。 社会保障と税の一体改革に伴う消費税の論議が本格化してきた。 政府は年内をめどに一体改革の素案をまとめる。年明けに与野党協議を経て大綱を決定し、来年3月までに消費税率引き上げの関連法案を国会に提出する方針だ。 しかし、民主党内では、反対論がくすぶり、前途は多難である。意見集約が遅れ、素案づくりが越年する事態になれば、論議の先行きが一段と不透明になろう。 野田首相は「私が先頭に立つ。不退転の決意で臨む」と言明している。有言実行だ。まず、党内をまとめねばならない。 政府・与党は6月、消費税率を2010年代半ばまでに段階的に10%に引き上げると決めた。 ◆社会保障は危機的だ 国民皆保険・皆年金が確立してから50年が経過した。少子高齢化の進展に伴って、給付が膨らみ、社会保障制度は今、危機的な状況に陥っている。政府・与党の方針は当然と言える。 25年には、団塊世代全員が75歳以上になり、人口ピラミッドの上部は膨らむ。土台に位置する現役世代は非常に少ない。 半世紀前には、65歳以上の高齢者1人に対し、15〜64歳の現役世代は11人いたが、今ではわずか3人になった。25年には、さらに2人に減る見通しだ。 現役世代の負担だけでは、とても高齢者を支えられず、現行制度を維持できないことは明白だ。 公的な財政負担も限界にきている。年間108兆円の社会保障給付のうち、保険料で賄えるのは60兆円に過ぎず、国と自治体が40兆円を負担している。国の支出は一般歳出全体の3割を占め、毎年1兆円以上増え続けている。 3年連続で新規国債発行額が税収を上回る異常事態で、国の借金は11年度末に1000兆円を超える見通しだ。国内総生産(GDP)の約2倍に上り、先進国で最悪の財政状況にある。 こうした事情を考慮すれば、社会保障給付を抑制したうえで、消費税を社会保障目的税とし、財源を確保するのが妥当だろう。 ◆素案に数字の明記を 消費税率1%で約2・4兆円の増収になり、国民が広く薄く負担を分かち合うことができる。 政府内では、現行税率5%を13年秋以降に7〜8%へ、15年度中に10%へと、2段階の引き上げが検討されている。現実的な案だ。近くまとめる素案に具体的な時期と税率を明記すべきである。 ところが、民主党の小沢一郎元代表らは「財源が足りないから消費税率を上げるというのでは国民は納得しない」と述べ、反対姿勢を鮮明にしている。 「行政改革による歳出削減が先決」との主張は、先送りのための論理であり、無責任だ。無駄を削減しても、必要な社会保障財源までは確保できない。 今月の読売新聞の世論調査では、年金など社会保障財源としての消費税率アップに「反対」が54%で、「賛成」40%を上回った。「反対」は前月比6ポイント増えた。 政府は世論を意識してか、社会保障改革の各論でも及び腰が目立つ。例えば、高齢者医療で暫定的に低く抑えている窓口負担を元に戻すことを見送る方向だ。 社会保障制度を維持していく方策として、首相は、給付の抑制と増税による財政再建の必要性を国民に説かねばならない。 ◆自民党も逃げるな 野党も責任ある対応が求められる。中でも「消費税率10%」を昨年の参院選で公約した自民党は、消費税論議を傍観せず、与野党協議に速やかに応じるべきだ。 財政再建や消費税率引き上げはどんな政権でも先送りできない課題だ。与野党双方がこの場から逃げれば、政治の機能不全を世界に一層さらけ出す。 欧州財政危機では、放漫財政のギリシャの信認が低下した。これを「他山の石」として、厳しい現実を直視し、必要な負担を国民に求めることこそが政治の責務だ。国の針路を誤ってはならない。 (2011年12月13日01時37分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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