HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48039 Content-Type: text/html ETag: "f415c-1241-4b3a19ddb0dce" Expires: Fri, 09 Dec 2011 22:22:20 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 09 Dec 2011 22:22:20 GMT Connection: close 12月9日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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12月9日付 よみうり寸評

 〈「刃物をもって……卑劣なやつ」学生の喧嘩(けんか)は双方木剣をもって戦うことを第一とし、格闘を第二とする。刀刃や銃器をもってすることは下劣であり醜悪〉◆昭和初期の雑誌「少年倶楽部」に連載された佐藤紅緑の人気小説「あゝ玉杯に花うけて」の一節。中学生のけんかの場面だ◆〈これ学生の武士道すなわち学生道である〉と続く。かつて男の子の間では「刃物は卑怯(ひきょう)のしるし」「卑怯は何よりも恥ずかしいこと」だった。そんな気風はどこへ消えて行ったのだろうか◆埼玉県三郷市の路上で刃物を振るい殺人未遂などの容疑で逮捕された少年は通信制高校の男子生徒(16)だった。男同士のけんかではない。襲った相手は同市立中学3年の女生徒だ◆死んだ猫の首を段ボールに入れて学校へ持って行った前歴がある。動物虐待からエスカレートした犯行らしい。弱い者ばかりを標的にした。「あゝ玉杯…」のモノサシなら〈下劣、醜悪〉の極◆これを模倣した犯行などさらに低劣だ。〈卑怯は恥〉の気風よ、よみがえれ!

2011年12月9日13時56分  読売新聞)

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