HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49159 Content-Type: text/html ETag: "a328f-1672-4b36ed30d931a" Expires: Tue, 06 Dec 2011 17:29:36 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 06 Dec 2011 17:29:36 GMT Connection: close オリンパス トップ主導の悪質な粉飾工作 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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オリンパス トップ主導の悪質な粉飾工作(12月7日付・読売社説)

 長年にわたる巨額損失の隠蔽は、歴代の経営トップが主導し、一部の幹部により秘密裏に続けられていた――。

 内視鏡で世界トップのオリンパスが設置した第三者委員会は、6日に公表した調査報告書の中でそう結論づけた。

 「隠蔽に加担した者が出世する人事体制が維持されていたことは重大な欠陥」「取締役会や監査役会は形骸化し、チェック機能を果たしていなかった」。報告書は、会社の体質や内部管理体制も厳しく批判している。

 第三者委は元裁判官・検察官、弁護士らで構成され、約1か月間、会社の役職員らからの200回近い事情聴取と、経理資料の分析を続けてきた。徹底した調査が行われたと言っていいだろう。

 現経営陣は報告書の指摘を重く受け止めなければならない。

 報告書によると、オリンパスはバブル崩壊などで約1000億円の損失を抱え込んだ。2000年からの時価会計の導入で、保有する金融資産の含み損の計上を迫られると、海外ファンドに損失を移す「飛ばし」を始めた。

 さらに、国内外の企業の買収を利用して、法外な買収資金などをファンド側に流し、一気に損失の穴埋めを図っていた。

 決算の透明性を高める会計基準の適用を免れようとした動機や、企業買収を隠れ(みの)にした手口は、極めて悪質だ。

 過去3代の社長が不正工作の報告を受けていたことも判明した。トップが関与した長期的粉飾は市場や投資家を欺くもので、上場企業として許されぬ行為である。

 東京証券取引所が6日、オリンパスが上場廃止基準に該当するかどうかの審査を始めると発表したが、当然だろう。

 東京地検特捜部は、証券取引等監視委員会などと連携して捜査を本格化させる。日本市場への国際的信頼を回復するためにも、粉飾に関与した旧経営陣の責任を厳正に追及してもらいたい。

 報告書は監査法人の責任にも言及している。

 あずさ監査法人は09年に企業買収の不自然さを指摘しながら、最終的に「適正意見」を出した。後を継いだ新日本監査法人は交代の際に十分な引き継ぎを受けず、損失穴埋め工作を見過ごした。

 両監査法人とも日本を代表する大手であり、日本の監査水準そのものに疑念を持たれかねない。

 所管する金融庁も、問題点を徹底検証し、監査体制の改善指導を図る必要がある。

2011年12月7日01時20分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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