HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49519 Content-Type: text/html ETag: "a62b0-1690-4b35a94f2ecbc" Expires: Mon, 05 Dec 2011 22:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 05 Dec 2011 22:21:41 GMT Connection: close ロシア下院選 陰りうかがえるプーチン支配 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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ロシア下院選 陰りうかがえるプーチン支配(12月6日付・読売社説)

 ロシアの実権を長年にわたり握り続けるプーチン首相に対し、不満が高まっていることを浮き彫りにした選挙結果だ。

 ロシア下院選で、プーチン氏の率いる与党「統一ロシア」が、議席を大きく減らした。

 定数450議席のうち、憲法改正に必要な3分の2の議席を占めていた「現状維持」の目標達成には及ばず、過半数を維持するにとどまった。

 所得格差拡大を批判し、富の公正な分配を求めた最大野党の共産党が、選挙前の57議席から、30以上も議席を増やした。政権に対する不満の受け皿となった形だ。

 来年の大統領選で当選が確実視されているプーチン氏も、その人気に陰りがうかがえる。

 今回の下院選は、選挙制度改革で比例選だけになってから2度目の選挙で、強固な全国組織を持つ与党にきわめて有利と見られていた。地方支部が少ない政治団体は政党として認められず、選挙に参加できないからだ。

 にもかかわらず、与党が不振だったことについて、プーチン氏は「今のロシアの現実を反映する」とコメントした。思わぬ誤算だったのかもしれないが、重く受け止めざるを得ないだろう。

 プーチン氏は、2000年から大統領職を2期8年間務め、08年に大統領職をメドベージェフ氏に委ねたのち、首相の座にとどまって実権を握ってきた。

 メドベージェフ大統領は、法治主義の確立と先端産業育成を旗印に掲げたが、十分な成果をあげないまま、来春、任期を終える。

 プーチン氏には、来年3月の大統領選で有力な対抗馬がいない。いまだに国民多数の根強い支持を得ていることも事実だ。しかし、長期政権の維持を目指すにしても、課題は山積している。

 官僚組織の末端にまで及ぶ汚職の蔓延(まんえん)は、いっこうに改善されていない。「統一ロシア」は官僚とつながり、利権を独占していると見られている。国民の強い不満が、与党不振の一因にもなった。

 経済は、エネルギー資源に依存する体質から脱却できず、原油価格の変動で国家の歳入は大きく左右される。最大の貿易相手の欧州が債務危機に苦しむのを見て、ロシアにも影響が及ぶのではないかと国民は不安を感じている。

 ロシアが、政治、経済、社会の各分野で、改革を必要としているのは明らかだ。プーチン氏は、こうした積年の課題に正面から取り組み、成果を出していかなければならない。

2011年12月6日01時11分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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