HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 47880 Content-Type: text/html ETag: "f4bbe-1283-4b33250a38dc5" Expires: Sun, 04 Dec 2011 02:21:46 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 04 Dec 2011 02:21:46 GMT Connection: close 12月4日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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12月4日付 編集手帳

 現在のロシアでは考えられないだろうが、旧ソ連の崩壊前夜、1990年ごろは、たばこのマールボロが、非常に流通力のある「通貨」だったそうだ。本物のお金の価値が日々、下落していくからだ◆吸われることなく人から人の手へ渡るため、硬いボックスタイプの輸入たばこが歓迎されたという。当時を知る同僚からの受け売りである◆似た話だが、北朝鮮ではなんと「チョコパイ」にすごい価値があるらしい。これは韓国紙の記事に教えてもらった。南北境界線付近の北側に韓国企業が工場を作り、北朝鮮の人を雇っている「開城(ケソン)工業団地」で、おやつとして毎日1人に3〜4個、韓国製チョコパイが配られる。だが食べる人はいない。闇市に持っていけば確実に高値がつく。北朝鮮労働者の間でチョコパイの貸し借りも広がっているとか◆翻って日本では――円の価値が上がり過ぎたまま戻らない。日本経済が強くなったわけではないと言うのに。輸出企業の悲鳴は日に日に大きくなっている◆冬本番を迎え、風は急に冷たさを増してきた。“お金の価値”という得体(えたい)の知れぬものに、思い悩む師走である。

2011年12月4日01時09分  読売新聞)

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