
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49109 Content-Type: text/html ETag: "2f59e8-168a-4b30a224bbda9" Expires: Thu, 01 Dec 2011 22:21:43 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 01 Dec 2011 22:21:43 GMT Connection: close
![]() 福井再審決定 検察は証拠の徹底開示を図れ(12月2日付・読売社説)証拠はだれのものなのか。 検察に改めて反省を迫る再審決定だ。 1986年3月に福井市で起きた女子中学生殺人事件について、名古屋高裁金沢支部が、裁判のやり直しを決めた。 再審を求めていたのは、事件発生から1年後に逮捕され、殺人罪で懲役7年の刑が確定、服役した前川彰司さんだ。 前川さんは一貫して犯行を否認し続けた。指紋などの物的証拠もなかった。検察の立証の支えは、「事件当夜、血の付いた服を着た前川さんを見た」などとする知人ら参考人の供述だけだった。 1審は供述の信用性を否定し、無罪となったが、2審で逆転有罪となり、最高裁で確定した。 今回、再審の扉を開いたのは、検察が初めて開示した別の関係者供述調書や解剖写真などだ。 前川さんと犯行を結びつけるような知人らの供述は、いずれも信用性に乏しかった。例えば、血の付いた服の捨て場所についての証言が次々と変遷していた。 犯行後に前川さんが乗っていたとされる車から、被害者の血液反応が出なかったことが鑑定書で裏付けられた。遺留品の凶器では説明できない傷痕が遺体にあったことも確認された。 裁判所はこれら「新証拠」を従来の証拠と併せて検討し、「犯人と認めるには合理的な疑いがある」と結論づけた。 「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則に沿った妥当な判断と言える。 有罪の確定までに、これら新証拠が開示されていれば、判決が異なっていた可能性もあろう。 その意味で、検察の「証拠隠し」は極めて問題である。再審請求審でも弁護側の請求に応じようとせず、裁判所の勧告があるまで証拠を開示しようとしなかった。 有罪立証に不利な証拠を意図的に伏せるのは犯罪にも等しい。再審で無罪が確定した「布川事件」など過去の 1審から被告に防御の機会を保障してこそ公正さが担保される。そもそも税金と公権力を使って集めた証拠は、真相解明のために役立てるべき「公共財」だ。検察が独占してはならないことを肝に銘じてもらいたい。 2004年の刑事訴訟法改正により、争点にかかわる証拠は開示が原則となった。だが、「開示はまだ不十分」との声が根強い。 全証拠リストを示し、必要な証拠は速やかに開示すべきだ。 (2011年12月2日01時13分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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