HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49112 Content-Type: text/html ETag: "cf5d6-1687-4b2f5c4d9a686" Expires: Wed, 30 Nov 2011 20:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 30 Nov 2011 20:21:40 GMT Connection: close 沖縄局長更迭 政府は信頼の再構築に全力を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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沖縄局長更迭 政府は信頼の再構築に全力を(12月1日付・読売社説)

 傷ついた沖縄との信頼関係を回復するのは容易ではない。政府は、米軍基地問題に誠実に取り組むことで、関係再構築に全力を挙げるべきだ。

 一川防衛相が、米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり不適切な発言をしたとして、防衛省の田中聡沖縄防衛局長を更迭した。

 田中氏は記者団との居酒屋での懇談で、普天間飛行場移設に関する環境影響評価書の沖縄県への提出について「犯す前にやらせろとは言わない」などと語った。

 懇談は、報道しないというオフレコが条件だったが、地元紙の琉球新報が「公共性、公益性がある」との独自判断で記事化した。

 この報道姿勢は疑問である。

 オフレコ取材について日本新聞協会は「国民の知る権利にこたえうる重要な手段」としつつ、報道機関にオフレコを守る道義的責任があるとの見解を示している。

 報道機関が、オフレコ取材の相手の了解を得ず一方的に報道するようだと、取材先との信頼関係が築けず、結果的に国民の知る権利の制約にもつながりかねない。

 鉢呂吉雄前経済産業相が原発事故をめぐる失言で辞任した際は、オフレコ発言かどうか曖昧だったが、今回は明らかに違う。

 無論、評価書の提出を女性への暴行に例えた田中氏の発言自体は極めて不適切だ。普天間問題の発端が1995年の女児暴行事件だったこともあり、沖縄県民が反発したのはもっともである。

 こうした結果を招いた以上、田中氏の更迭は当然だろう。

 野田首相は田中氏の発言について謝罪するとともに、環境影響評価書を予定通り提出する考えを示した。評価書の年内提出は日米間で何度も確認している。きちんと実行する必要がある。

 政府は最近、日米地位協定の運用を見直し、米国人軍属の裁判を日本で行うことを可能にするなど沖縄との関係修復に努めていた。今後も、米軍の訓練の県外移転など、地元の基地負担の軽減策を地道に実行に移すことが大切だ。

 米国では、連邦議会の国防費削減圧力が強く、在沖縄海兵隊のグアム移転が困難になりつつある。普天間問題が進展しなければ、普天間飛行場の固定化に加え、海兵隊移転が白紙になりかねない。

 沖縄県側には、海兵隊移転を普天間問題と切り離して実現することへの期待があるが、それは、もはや不可能な情勢にある。

 沖縄全体の基地負担軽減をどう進めるのか、政府と沖縄県は冷静に協議することが求められる。

2011年12月1日00時55分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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