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11月30日付 編集手帳

 堀口大学の詩「百合(ゆり)」の一節を。〈百合の花は昆虫の化粧室だ/蝶がでてまゐる/金粉の着物をきて…〉。鮮やかなイメージで、なるほどと思わせる。これが比喩である◆花の香りが漂う美しい詩句を引いたのは、ほかでもない。最低の比喩を用いた汚らしい発言に触れるにあたり、あらかじめ防臭剤を噴霧したつもりである◆「(女性を)犯す前に、(これから)『やらせろ』とは言わない」。普天間移設に向けた環境影響評価書を沖縄県に提出する時期を政府が明言していないことについて、防衛省の沖縄防衛局長がそう発言した◆性的暴行を受ける女性を沖縄県に、凶徒を政府にたとえている。女性と、沖縄県民と、普天間移設をまじめに考える多くの国民と――そのすべてを侮辱している。窮屈な世の中にしないよう、暴言失言にはまず弁護席に立って吟味するのが小欄の習性だが、非公式の記者懇談にしても、今回はかばいようがない◆沖縄の少女暴行事件から普天間移設が動き出したことを思い起こすとき、発言が放つ悪臭に鼻が曲がる。百合の花の防臭剤もどうやら、あまり効果がなかったようである。

2011年11月30日01時14分  読売新聞)

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