HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Tue, 29 Nov 2011 22:21:46 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:八十歳以上の血液型の四割近くはA型が占めているという。「や…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 八十歳以上の血液型の四割近くはA型が占めているという。「やはりA型は長寿だ」と考えるのは早とちり。日本人の血液型の割合とほぼ同じなのだから(野口哲典著『数字のウソを見抜く』)▼「当たる宝くじ売り場」も、多く売っている店ほど当たる可能性が高くなるだけだ。数字のトリックは血液型や宝くじなら笑い話だが、原発事故の確率になると笑っていられない▼内閣府の原子力委員会は、過酷な事故が起きる可能性は最悪の場合、一基当たり「五百年に一回」との試算を発表した。原発コストを計算する中で、原子炉の運転実績と福島第一原発1〜3号機の事故を三回と数えた▼五百年に一回であれば、少し安心するかもしれないが、この数字に猛反発しているのが原発推進派の学者だ。見方を変えれば、五十基以上の原発がある日本では、十年に一度はどこかで福島第一原発級の事故が起きる計算になるからだ▼安全の強化を前提に、推進派が適切とするのは一基当たり「十万年に一回」。国際原子力機関が求める安全目標値だ。原発の稼働から約四十五年間に、最悪の事故が三基で起きたのにこんな数字を平然という神経を疑う▼宇宙物理学者の池内了さんは本紙文化面で、違和感を覚えたら単位を変えて異なった解釈をするのが必要、と指摘していた。数字のトリックに惑わされない知恵を身につけたい。

 

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