HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 47585 Content-Type: text/html ETag: "f1ec4-126d-4b240f4304b10" Expires: Mon, 21 Nov 2011 22:22:21 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 21 Nov 2011 22:22:21 GMT Connection: close 11月22日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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11月22日付 編集手帳

 裁判が始まって16年、記事の切り抜きも歳月に変色している。幾つかの言葉を◆坂本堤弁護士(当時33歳)一家は自宅で就寝中を6人のオウム信者に襲われ、殺害された。妻都子(さとこ)さん(同29歳)は腹を蹴られながら、龍彦ちゃん(同1歳)の命を守ろうと哀願した。〈子供だけはお願い〉(1996年3月12日付)◆地下鉄サリン事件で駅助役の夫一正さん(当時50歳)を奪われた高橋シズヱさん(64)は、都内の小学校から命を考える催しに招かれた。児童たちの前で1枚の白い紙をくしゃくしゃに丸め、静かに広げた。〈このシワはいくら伸ばしても消えません。これが犯罪被害者の心の傷です〉(2006年11月17日付)◆中川智正被告(49)(死刑判決)の母が公判に証人として出廷した。〈息子は大変な犯罪を犯したけれど、私には大切な宝です…私も息子を(死刑で)失う時が来たら、その時は、遺族の方々のお気持ちに1ミリでも2ミリでも近づけるのではないかと思います〉(2006年9月18日付)。減刑の嘆願はしなかった◆オウム裁判が終結した。語るべき人の、語るべき言葉は最後まで聞かれぬまま。

2011年11月22日01時12分  読売新聞)

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