HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49105 Content-Type: text/html ETag: "15cfc5-1643-4b22cd434be73" Expires: Mon, 21 Nov 2011 03:21:44 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 21 Nov 2011 03:21:44 GMT Connection: close イタリア新内閣 危機克服へ痛み伴う改革急務 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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イタリア新内閣 危機克服へ痛み伴う改革急務(11月21日付・読売社説)

 ギリシャ財政危機が飛び火したイタリアで、経済専門家マリオ・モンティ氏を首相とする新内閣が発足した。

 世界経済の負の連鎖を断ち切り、危機を封じ込めることはできるのか。喫緊の課題である財政再建に取り組む新内閣の責任は重い。

 辞任したベルルスコーニ氏の後任となったモンティ氏は、欧州連合(EU)の閣僚に相当する欧州委員の経験が豊富だ。反面、国内の政治基盤が弱く、政治手腕は未知数と言えよう。

 モンティ氏は、政治家を閣僚に起用せず、学者らによる実務者内閣を構成した。市場では当初、新内閣への期待が高まった。

 しかし、10年物国債の利回りは危険水域とされる7%近辺で高止まりしている。モンティ政権のもとでも、財政再建が難航するという懸念が強いのだろう。

 今後の焦点は、イタリアが財政再建と構造改革を着実に実行できるかどうかだ。

 新首相は、歳入増のための不動産税再導入などの措置に乗り出す方針を示した。正規雇用の権利が過剰に保護されている一方で、若年層の雇用促進が不十分だという労働市場の問題も指摘した。

 痛みの伴う改革を避けない姿勢を見せた点は評価できる。財政再建のためには、国民に不人気な政策の断行が欠かせない。

 ただ、緊縮財政策に抗議するデモがローマやミラノで行われるなど、さっそく反発が表面化している。先行きは不透明である。

 懸念されるのは、危機がさらに波及しかねないことだ。

 巨額の財政赤字を抱えるスペインの国債の利回りも7%台に迫った。フランスの銀行がギリシャやイタリアなどの国債を保有している問題が警戒されて、フランス国債も値下がりするなど、危機が収束するメドはたたない。

 ユーロ圏で第3位の経済大国であるイタリアが迅速に財政再建できないと、市場の信頼は回復せず、「イタリアの次」を探すような混乱が続く。通貨ユーロの下落傾向も止まらないだろう。

 国際通貨基金(IMF)はイタリアの財政運営を監視し、後押しする必要がある。

 EUは、欧州金融安定基金(EFSF)拡充の具体策を急ぐとともに、欧州中央銀行(ECB)もイタリア国債などを積極的に買い支えする支援が求められよう。

 欧州の大国であるドイツとフランスは、危機の封じ込めに指導力を発揮しなければならない。

2011年11月21日01時11分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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